4 選定理由
平成22年度 大学教育・学生支援推進事業 大学教育推進プログラム 審査結果表
当該取組は、本事業の趣旨に照らして審査を行った結果、学士力の確保や教育力向上のための取組内容が非常に優れているとともに、達成目標の実現性も高く、成果と今後の展開が期待できると高く評価した。 なお、審査結果に基づく詳細は以下のとおりである。
[特に優れた点]
- 学業不振や発達障害等の問題を抱えた学生の把握と対策に取り組むと同時に、多様化する学生の状況掌握を通じて、大学全体としてIR(Institutional Research)能力の引き上げを意図している点が評価できる。
- 学生数1万人規模の大学におけるIR能力の蓄積とその活用は、他大学にとっても参照事例になると認められる。
- 問題を抱えた学生については、個別対応と同時に、類型的・基礎的対応策の構築が必要と考えられる。こうした面への着眼および早期発見のノウハウ蓄積の姿勢も評価できる。
[改善を要する点]
- 一元的な情報管理に伴う学生・教職員の心理的抵抗、プライバシーの保証、セキュリティの保持・危機管理についての方針および制度を十分に整備・確立する必要がある。
- IRの結果、それを学生支援にどのような形で活用するかのプロセスをより明確にする必要がある。
[その他]
- 科学的調査とそれに基づくデータを活用して、教育改善を進めることは重要である。そのためには、調査・データを重視する学内文化の醸成が必要といえる。