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モンスターペアレントにも多い?パーソナリティ障害とは?【専門家監修】

2023.09.11
あなたの周りに周囲の人を巻き込みながら頻繁にトラブルとなっている方、どのように対応していいかが分からないといった方はいませんか?
当てはまる方がいる場合、「その方はもしかしたらパーソナリティ障害なのではないか?」と考えてみる必要があるかもしれません。
実際に、モンスターペアレントと呼ばれる保護者の中にも少なからずパーソナリティ障害はいると考えられています。
このページではパーソナリティ障害の基本的な知識についてお伝えします。

そもそもパーソナリティとは何か?

パーソナリティとは、その人特有の、特徴的で一貫性のある認知、感情、行動などの「あり方」を指します。そしてそのパーソナリティは、年齢や経験を経ること、成長していくことで同時に成熟していくものになります。

パーソナリティ障害とは?

アメリカの精神医学会が発行しているDSM-5という精神障害の診断マニュアルでは、「パーソナリティ障害とは、その人が属する文化から、期待されるものから著しく偏り、広範で、且つ柔軟性がなく、青年期または成人期早期に始まり、長期に渡り変わることなく、苦痛または障害を引き起こす内的体験および行動の持続的様式である。」と定義されています。つまり、もっと簡単に言うと、パーソナリティ障害とは、「パーソナリティに著しい偏りがあり、本人や周囲の人に苦痛を与えたり、社会生活に支障をきたしている状態のこと」を言います。

パーソナリティ障害からもたらされる問題

①認知

自己認知や他者認知が歪んでいたり、出来事の捉え方や解釈の仕方が独特である。

②感情面

情緒的に不安定だったり、不適切であったり、情緒反応が強すぎたりすることがある。

③対人関係機能

この機能が、苦痛や障害を引き起こすような形で働くため、様々な対人トラブルを生じさせることがある。

④衝動の制御

衝動のコントロールが上手くできず、極端な行動や衝動的な言動になりやすいことがある。

子どもにパーソナリティ障害はいない?

先に述べた通り、パーソナリティとは年齢や経験と共に成熟していくものです。なので子どもの場合は未成熟なパーソナリティを持っていることは普通で、時に周囲の大人を困らせるようなことがあってもそれを性格の病であると捉えることはしません。パーソナリティ障害とは、基本はパーソナリティがしっかりと形成された青年期以降に診断されるもので、パーソナリティの形成途上である子どものうちにパーソナリティ障害にならないよう気を付けることが大切となります。

「パーソナリティ障害」を理解し、自身の支援に役立てよう!

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監修・講座講師

早川 すみ江
日本福祉大学 教育・心理学部 心理学科 教授
1990年から17年間、病院や私設心理相談室で心理療法や心理査定などの臨床実践に携わるかたわら、中学・高校でスクールカウンセラーとして勤務してきた。2007年より日本福祉大学に赴任。学部・大学院で公認心理師・臨床心理士の養成に携わる。不登校やパーソナリティ障害など、さまざまな生きづらさを抱える人々との心理療法や心理支援実践をもとに臨床研究をおこなっている。

日本福祉大学 教員情報
日本福祉大学 教育・心理学部

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