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子どもと関わる対人援助職の方必見!「個性を知って支援に活かそう!」【専門家監修】

2023.08.21
「個性」という言葉をよく耳にしますが、「個性」とは一体何のことでしょう?就職活動の場面では、よく面接官から「あなたの個性はなんですか?」という質問があったり、昨今では、多様性を重視することが大切とされ、「個性」を大事に!と聞くことも多くなってきています。このページでは「個性」とはどういったものなのか?また「個性」はどのように形成されるのかを少しだけ、心理学の側面から解説していきます。

個性とは?

他の人とちがった、その人特有の性質・性格。個人の特性。
個体に特有の性質。
辞書で「個性」と調べるとこういった言葉が出てきますが、心理学の観点から見ていくと、人間の個性といっても様々な側面があると言われています。
生まれる前や生まれてすぐに決まる個性や主に生まれた後の経験によって形成される個性。
周りの影響によってある程度、変わる個性やほとんど変わらない個性。
社会で生きていく上で望ましい個性やどちらかというとそうではない個性。
ではこのような個性はどのように作り出されているのでしょうか?

個性を作り出している大きく分けて2つの要因!

①遺伝的、器質的要因

遺伝的要因とは、父親や母親の遺伝子を受け継ぐことによって、現れる影響によるもののこと。
器質的要因とは、身体などの物理的な影響によるもののことです。特に心の個性に関しては脳や神経細胞の働きが大きく影響しています。

②環境的要因

生後の様々な経験の影響とのことです。
例えば親や兄弟との家族関係や友人関係。またスポーツ・勉学等の成功経験や失敗経験など生まれた後に個々の子どもで違う経験をするからこそ生み出されるものを指しています。

発達障害の要因は?

発達障害の原因として親の育て方が関係していると思われている方が時々いらっしゃいますが、それは大きな誤解です!多くの発達障害は先天的な脳の一部の機能障害であるということが分かっています。つまり発達障害は、環境的要因ではなく、器質的要因であるということです。

2つの要因が単独で影響しているわけではない!

先のとおり、人の心(個性)には遺伝と環境が影響していますが、必ずしもそれらが単独で影響しているわけでなく、お互いに影響し合って個性が育っていると言われています。
これは遺伝と環境の”相互作用”として知られています。
例えば、ある遺伝的・器質的特徴をもった子どもは、特定の環境に触れやすくなることがあります。
遺伝的要因の影響が大きい「身長」で考えてみると、背の高い子どもは、バスケットボールやバレーボールなどの身長の高さを生かしたスポーツに勧誘されやすいことが考えられます。それにより、このようなスポーツを経験する可能性は、多少なりとも増えるかもしれません。このような例をあげていくと、限りなく出てきそうですね。
遺伝と環境はそれぞれ別個に影響しているわけではなく、複雑に関係しながら、子どもの個性を形作っていきます。

「個性」を理解し、自身の支援に役立てよう!

以下の講座では、このページで解説した個性が形成される要因はもちろんのこと、個性がどのように発達していくのかといった内容や個性の一側面であるパーソナリティから相手をとらえる考え方などを学べます!また事例も交えて個性豊かな子どもたちといかに関わっていくかについても説明しています。
ご紹介した上記講座以外にも、心理学の観点から個性豊かな子どもや保護者に対して理解を深め、どのように関わっていくかを学ぶことができる「心理学から知るきらめく個性」シリーズの全8講座を配信中。
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監修・講座講師

小平 英志
日本福祉大学 教育・心理学部 心理学科 教授

名古屋柳城短期大学講師、准教授、日本福祉大学子ども発達学部准教授を経て、現在、日本福祉大学教育・心理学部教授。児童期、青年期の環境適応やその過程に現れる子どもたちの個性(パーソナリティ)について、主に質問紙やインタビューを用いた研究を行っている。児童期・青年期の発達、教育心理学に関わる論文や書籍の執筆も多数

日本福祉大学 教員情報
日本福祉大学 教育・心理学部

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