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業

「ふくし」と仕事

さまざまに広がる仕事―。 本学の学びや取り組みが活かされています。

講演録

情報・工学・福祉の三つの知識を生かし、思いやりのものづくり産業で活躍

※オープンキャンパス「しごと体験講座」より
日時:2012年6月3日(日)
会場:日本福祉大学美浜キャンパス

講師

後藤直登さん

健康科学部福祉工学科健康情報専攻
2012年3月卒業
岐阜県/多治見工業高校出身
東名ブレース株式会社勤務

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福祉の視点を生かした「ものづくり」の世界へ

私は2012年3月に健康科学部福祉工学科健康情報専攻を卒業し、今年の春から東名ブレース株式会社という企業で働いています。けがや病気などで手足を失った方の使う義肢や、手足が動かなくなってしまった方がリハビリなどに使う装具を作っている会社です。
現在は姿勢保持部に所属して、車椅子などの製造に携わっています。使う人によって、電動車椅子がいいのか自走用車椅子がいいのかは違いますし、体が変形してしまっている方であれば、体を元に戻すような形状のシートがいいのか、姿勢を保って変形がそれ以上進まないようにするようなシートの方がいいのかといったことも考えなければいけません。そこで、ご本人はもちろん、病院の医師やご家族とも相談して、その人に合わせた車椅子を作っているのです。また、介護事業部と連携して、福祉用具のレンタルや住宅改修の相談を受けることもあります。
私たちの仕事は、個人のニーズに対応する仕事です。そこに、大学の授業や研究を通じて学んできた「利用者の立場を考えてものづくりをする姿勢」が生かされていると感じています。

実体験を通じて福祉を学んだ大学時代

私は卒業研究で、外部スイッチを使った肢体不自由者向けデジタルカメラ撮影装置を試作しました。この装置では、車椅子の方や麻痺(まひ)のある方にも簡単にカメラが使えるよう、シャッターのボタンを車椅子に固定してあります。また、電動車椅子では体を少しだけ右に向けるといった細かい動きができないので、カメラ台自体が上下左右を向けるようにしました。また、私たちは写真を撮るとき、よく「はい、チーズ」などの声掛けでタイミングを取りますが、うまく声を発することのできない障がいをお持ちの方もいます。そこで、撮影する側と撮影される側の両者がタイミングを取りやすいように、ボタンを押すことを目で見て分かる仕組みにしたのです。
また、情報分野の友人は、視覚障がい者用のファッション診断アプリケーションを開発していました。これは、服の色合いなどを評価して音声で教えてくれることで、視覚障がいのある方でもファッションを楽しめるようにするものです。どんなに高機能なものを作ったとしても、利用者が使いづらいと感じるようでは何の価値もありません。福祉分野のものづくりでは、使う人のことを考えて製作していくことが重要なのだと感じました。
そのほかにも、福祉機器展に参加して福祉機器への理解を深めたり、実際に障がいのある方とコミュニケーションするという経験を通じて、個人のニーズに合わせて物を作ることの難しさを痛感しました。また、この大学には障がいを持つ学生も多く通っているので、障がいを知識として学ぶだけでなく、実際の経験として学ぶことができました。福祉に関する理解を深めるのに最適な環境だったと思っています。

幅広い知識と経験を養うカリキュラム

福祉工学科健康情報専攻は、情報分野とものづくり分野を福祉の視点から学んでいく学科です。情報分野ではプログラミングやネットワーク関係を学び、ものづくり分野では基礎から実際に物を作るまでの過程を学びました。私は多治見工業高校の出身ですが、高校では機械や電気とは別のことを勉強していたので、入学当初から基礎知識があったわけではありません。この学科では、1~2年生の段階で二つの分野の基礎知識を学習するカリキュラムが組まれているので、工学の知識のない人でもしっかりと学んでいくことができます。
そこから学年が上がるにつれて、専門分野を絞っていくことも、二つの分野を幅広く学んでいくこともできます。また、同時に社会福祉士の課程を履修することができます。情報やものづくりを学ぶだけなら工科系の大学などでもできますが、福祉分野も同時に学べるところが、日本福祉大学ならではの魅力だと思います。

高齢化社会・日本に求められる人材像

高齢化が進む日本では、どんな職業に就いたとしても、福祉の視点を持つことがとても重要です。例えばスーパーマーケットに勤めたとしても、高齢者の方が見やすい、手に取りやすい商品の並べ方をすることで、売上を伸ばすことにつながるかもしれません。あるいは、来店した高齢者の方への接客にも、福祉の知識を生かせることがあるでしょう。
卒業生の中には、私のように福祉用具の営業職に就いている友人もいれば、情報分野を極めてプログラマーになった友人もいます。ほかにも、社会福祉士の資格を取得してケースワーカーになった人、医療に興味を持って医療事務の仕事に就いた人、あるいは福祉とは直接かかわりのない職業に就いた友人もいますが、幅広い分野に羽ばたいていけることも、福祉工学科健康情報専攻のすばらしいところだと感じています。

※この講演録は、学校法人日本福祉大学学園広報室が講演内容をもとに、要約、加筆・訂正のうえ、掲載しています。 このサイトに掲載のイラスト・写真・文章の無断転載を禁じます。

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