「ふくしを理解する経済人」
これからの時代に、ますます求められていると感じます。

「福祉を理解する経済人」という
コンセプトに魅力を感じて
経済学部に入学

 私が日本福祉大学に入学したのは1977年、経済学部の二期生でした。「福祉を理解する経済人」という当時の経済学部のコンセプトに感銘を受けました。当時の日本はまだ経済成長期でありましたが、同時に老人医療費を無料にする自治体が各地で出てくるなど「これからは福祉の時代だ」という機運も広がっていたのです。他大学にはこのような考え方を打ち出す経済学部はありませんでしたが、このコンセプトはいつの時代にも通用する普遍的な考え方だと思います。

日本全国から「ふくし」を
学びたい学生が集まる

 日本全国から学生が集まってきていますから、各地に友人ができました。実は私の息子も娘も日本福祉大学の卒業生。子どもたちに進学を薦めた理由の一つも、全国各地の人たちと知り合えることでした。
 日本中にたくさんの大学がありますが、日本福祉大学が全国から学生を集められるのは「福祉」という学問が世の中に必要とされる、魅力的なものだからでしょう。そして、戦後間もない頃からこの学問を広めていこうと努力し続けてこられた、関係者や先輩方の努力のたまものであると思います。

利益の追求だけではなく、
人間を大切にする経営を

 飯田市にある健和会病院で病院事務長や専務理事を経て、現在は常務理事をさせていただいています。病院や法人全体の経営に携わるようになると、よりよい医療を提供するためにやらなければならないことと、法人として利益を確保し続けることの両立が難しい場面にも直面します。ともすれば、経営はいかに利益を上げるかという視点に偏りがちです。しかし、利益の追求に加えて、患者さんや職員など人を大切にしていくことの両方があってこそ、病院も社会も健全に発展していくのではないでしょうか。福祉の仕事は、誰もがその人らしく生きられるよう、人間性を守る仕事であると思います。
 日本福祉大学で学び医療機関の事務やMSW職として就職する方もいますが、そんな皆さんには、医師をはじめとする様々な専門職の間をつなぎ、潤滑油となってスムーズに病院全体の仕事を進めていく力が求められます。患者さんの健康や暮らしを守るために、異なる見解を持つ人の思いを聞き、調整していくことは、まさに患者さんと従業員の両方の人間性を尊重していくことに他なりません。

「学びたい」という思いを大切に

現在は高校生の2人に1人が大学へ進学しているそうですが、本当に何かを「学びたい」と思って進学する人はどれくらいいるでしょうか。自分が学びたいことを明らかにしたうえで、大学に進んで欲しいですね。
 大学は、高校までには教わらなかったような勉強を、より追求して学ぶことができます。物事の本質を考え、人間性が守られない場面には疑問を持てるようになること。それはどんな仕事に就いても、必ず生かせる力になると私は考えています。