子どもたちが自ら考え、
ともに学び合う教育をめざして、
その原点は大学生活にありました。

すべての子どもの個性を
伸ばせる教師になるために

 姉が教師を目ざしていた影響もあり、高校時代から小学校の先生になりたいと将来を思い描いていました。高校3年次に高校の担任の先生から「特別支援学校教諭の資格が取れる大学がある」と勧められたのが日本福祉大学でした。小中学校の通常学校にも6.5%の割合で発達障害の可能性がある児童や生徒がいると言われています。教師になるにあたり、さまざまな特性を持つ子どもの教育についても学べることは、大きな魅力に感じました。

視野を広げてくれた
子ども発達学部の授業

 大学ではスポーツや体育の授業づくりが学べる吉田文久先生のゼミに入りました。ここで「アダプテッド・スポーツ」という、障害者や高齢者、子どもたちも参加しやすく考えられたスポーツを知りました。「ボッチャ」というパラリンピックの正式種目にもなっているスポーツは、担任しているクラスでも取り入れて子どもたちと一緒に楽しんでいます。こうした学びは日本福祉大学ならではの経験だと思います。
 また講義で、「教室の掃除は子どもがするべきか?」といった議論をしたことも印象に残っています。日本では当たり前のことですが、子どもではなく専門の職員が学校の清掃をする国も多いのです。これまでには考えたことのなかった視点から物事を捉えることで、自分の世界が大きく広がったと感じています。

仲間と一緒に
地域の教育現場で学びました

 子ども発達学部のカリキュラム「教職インターンシップ」では、大学のある美浜町にある中学校で教師が担う業務を体験し仕事の全体像を把握することができました。小学校でも活動してみたいと考えていた時に、国際福祉開発学部の友人が、町内の小学校で子どもたちに英語を教える活動をしていると知りました。そこで一緒に小学校に赴き、先生方にお願いをして授業アシスタントのボランティアを始めました。この経験が評価され、大学卒業の直前に体験した「教職インターンシップⅡ」時には授業を任せてもらう機会にも恵まれました。他大学でも経験できる教育実習のほかにも、学校での経験を重ねられたことが確実に自分の力になっていると思います。お世話になった小学校の先生方とは現在も交流があり、山形村を訪ねていただいたこともあるんですよ。

自ら考え、互いに話し合う力の
ある子どもを育てたい

 算数の授業では毎回グループ学習を取り入れています。教師が一方的に教えるだけでなく、子ども達が自分自身で考え、話し合いながら問題を解いていける力を身につけて欲しいと考えているからです。このように「お互いに学び合う」というスタンスを大切にすることは、大学のゼミで吉田先生から教わったことでもあります。
 思えば自分も、大学時代に仲間とともに学んだことが大きな支えになっていると感じます。教師を目ざす学生が学部を越えて集まって自主ゼミを作り、励まし合って教員採用試験の勉強をしていたのです。先生方にもこうした学生の活動を応援していただき、苦しい時期も皆の力で乗り越えられたと思います。

親元を離れて、
自分の甘さに気づいた

 大学の学費は親に出してもらっていましたが、生活費だけでも自分で何とかしたいと思い、在学中はたくさんアルバイトもしました。飲食店のバイトでは、もっと責任感を持って働くようにとひどく叱られたこともありました。仕事に向かう姿勢や、ひとりの社会人として自分が足りなかった部分に気づかされましたね。
 社会福祉学部の友人が関わっていた半田市の学童保育でもアルバイトをさせてもらいました。子どもたちと実際に関わることで、自分がそれまでに持っていた理想論だけでは全く通用しないことを実感しました。怒るだけではなく、なぜこれがいけないのかという理由を説明しなければならないなど、子どもと気持ちを通わせる方法について多くを学ぶことができました。