お祭りの時、こんなにも生き生きとしているおじいちゃんが、私は大好きです。

その声に応える 日福の学び

もっと明るく、楽しく、面白そうな。そんなポップな次世代の「ふくし」へ。

高齢期の閉じこもりが、早期死亡や要介護のリスクにつながることは、すでに知られています。私は、いやがる高齢者や体の不自由な高齢者を無理やり引っ張りだすのではなく、自ら出かけたくなる、そんな地域にすることで、閉じこもりを減らすことができると考えています。たとえば、お祭りが衰退している地域や、近隣住民の交流が減ってしまった地域では高齢者が閉じこもりやすいというデータもあります。「健康」というのは、これまでその多くを医学が支えてきました。しかし、健康を左右する重要な要因の一つに「社会」があるならば、まさに、そこに社会福祉学の出番があるはずです。社会福祉学と聞くと、暗いイメージを思い起こす人が多いようです。たしかに社会には深刻な問題が多いのは事実で、暗い話ばかりになるのもやむをえないかもしれません。ただ、暗い話や厳しい現実ばかりを語っていては、共感や協力をしてくれる人は非常に限られます。社会福祉学が、次のステージへ向かうためには、もっと明るく、楽しく、面白そうな、つまり「ポップ」な視点が必要だと私は思います。

社会福祉学部社会福祉学科人間福祉専修斉藤 雅茂 准教授

出かけたくなるまちづくりが高齢者の“閉じこもり”を防ぐ

公共交通機関や街なかで見かける元気そうな高齢者。買い物? 趣味の活動? 友だちとの交流? イベントへの参加? 年齢に関係なく街に繰り出す元気な高齢者がもっと増えてくるといいなと思いませんか?
2010~2011年に斉藤先生らがおこなった調査によると、健康な高齢者でも、その約2割程度の人がほとんど外出しないと答えています。そうした高齢者の閉じこもりは要介護や認知症、早期死亡のリスクを高めると知られており、その防止が急務となっています。 「閉じこもり」になっている高齢者の割合は、市町村によって大きな開きがあることが確認されています(下図参照)。つまり、高齢者が閉じこもりやすい地域と閉じこもりにくい地域があると考えられます。また、人との交流やお祭りなどが衰退している地域では、健康な高齢者も含めて閉じこもりやすくなるといった結果も得られています。お年寄りの元気を支えているのは、高齢者にとって楽しいまちや地域環境といえるかもしれません。

※出典: 斉藤雅茂・近藤克則・尾島俊之ほか:まちづくりは高齢者の閉じこもりに効果があるのか;J-AGESプロジェクト.『第22回日本疫学会学術総会』2012年より

ニューズレターは右記URL参照 http://cws.umin.jp/news/2011news.html
市町村の閉じこもり高齢者に5倍程度の違い~地域の貧困や交流の衰退への対策が閉じこもり解消に寄与する可能性あり~(日本福祉大学健康社会研究センター)

report

「社会福祉学」の研究者として、学際的にも認められる研究を。「社会福祉学」の研究者として、学際的にも認められる研究を。

スーパーで認知症の啓発活動

社会福祉学は、学問としてもっと注目されるべきだと先生は言う。社会福祉は現場での実践がメインであることはまちがいない。しかし、社会福祉学が担っている学問としての使命の重さは、他の学問領域とまったく変わらないはずだ。今、目の前で支援や介助を必要とする人を援助する実践的な学問という側面はもちろん大切だが、なぜその人が支援や援助を必要とするに至ったのか、その社会的な原因を解明することにも力を入れたいと先生は考えている。さまざまな学問分野の視点を取り入れ、「ふくし」の枠を超えて、先生は新しい社会福祉学へ向かおうとしている。

Profile

SAITO,Masashige
斉藤 雅茂(サイトウ マサシゲ)
准教授
博士(社会福祉学:上智大学)

埼玉大学教育学部卒業(2004)
上智大学大学院文学研究科修了(2006)
上智大学大学院総合人間科学研究科修了(2009)
日本学術振興会特別研究員(DC2)(2007~2009)
東京都健康長寿医療センター(東京都老人総合研究所)研究生・協力研究員(2008~2012)
日本福祉大学地域ケア研究推進センター主任研究員(2009~2012)
日本福祉大学・大学院非常勤講師(2010~2012)
日本福祉大学赴任(2012)