高校の英語の授業で身につけるのは、受験のための英語力?

その声に応える 日福の学び

世界と向き合い、世界と協働するための発信力、それが英語。

私の英語教育の目標は、“英語の向こう側にあるもの”を知ること。つまり、言葉の意味を理解するだけではなくて、背景にある文化や個人の感情などを踏まえたディスカッションができるようになること。ノーベル賞を受賞した野依良治先生が、こんなことを言っています。「日本には世界に通用する科学者はいっぱいいる。けれども私がノーベル賞を取れたのは、英語ができたからだ」。ずいぶん謙遜された言い方ではありますが、私はこの言葉は、日本の弱点を言い表していると思っています。日本人は発信すべき中身をちゃんと持っているのに、間違えるのを怖れて、それを発信できない。これができれば、国際社会のなかで日本は大きな転換点を迎えることができると思います。たしかに今の高校の英語教育は万全とは言いがたい。しかし、それを理由にして努力を放棄するのは、あなたの成長を遅らせるだけ。先生にどんどん質問して、先生と一緒に成長すればいい。英語力という翼を手に入れて、世界のさまざまな人々と出会い、ともに働き、あなたの世界を大きく広げて欲しい。

国際福祉開発学部国際福祉開発学科小倉 美津夫 教授

英語教育を支える教員への継続的なサポートが求められている。

2013年12月に文部科学省が公表した「グローバル化に対応した英語教育改革実践計画」には、あらたな英語教育について「中学校での授業を基本的に英語でおこなうこと」や「高等学校において発表、討論、交渉等の高等な言語活動をおこなうこと」などと記されています。みなさんの学校では英語教育の変化はみられるでしょうか。また、先生方はこの変化をどのようにとらえているのでしょうか。2010年1月、2012年1月、2012年7月に小倉先生が高等学校英語教員131人におこなった意識調査では、「英語でおこなう授業」が「できない」「たぶんできない」と答えた教員が42.3%にものぼりました。グローバル化に対応する英語教育は、英語を教える側の教員にも時代の変化に合わせたサポートが必要であることを示しているようです。

※出典:「平成26年 3月発行 日本福祉大学全学教育センター紀要 第2号」(著:小倉美津夫教授)より一部加工

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英語教育は日本を変える。世界に向かって日本を開く。英語教育は日本を変える。世界に向かって日本を開く。

小倉先生による英語教員のための研修風景

小倉先生は、英語が好きで、外国人を見つけては英語で話しかけるという少年だった。やがて先生は高校の英語教員になる。しかし、現実は厳しかった。先生が取り入れたいと思った英語だけで行う授業やネイティブとのTeam Teachingは前例がないという理由で学校から拒否された。40年前のことである。だが先生は負けなかった。当時の旧態然とした英語教育のあり方に、先生は風穴を開けたのだ。「高校生が英語を通じて世界に発信できるような英語教育」をしたい、その一心で。今では本学で教鞭をとる傍ら、各県の教育委員会の依頼を受けて英語教員の指導にあたる立場である。

Profile

OGURA,Mitsuo
小倉 美津夫(オグラ ミツオ)
教授

愛知県立大学外国語学部卒業(1975)
愛知県立熱田高等学校教諭(1975~1984)
愛知県立大府東高等学校教諭(1984~2000)
愛知県立愛知工業高等学校教頭(2000~2005)
愛知県立御津高等学校校長(2005~2009)
日本福祉大学赴任(2009)
愛知学院大学文学部非常勤講師(2010~)
椙山女学園大学国際コミュニケーション学部非常勤講師(2011~2012)