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強圧的コントロール(coercive control)ってなに?
2025.08.25
DV(ドメスティック・バイオレンス)の本質は、加害者が相手の自由や権利を奪い、支配する行動パターンにあります。このことを示す概念が「強圧的コントロール(coercive control)」です。近年欧米では、DVの本質を理解するための重要な言葉として多用されるようになっています。
強圧的コントロールを行い加害者は、身体的な暴力だけでなく、心理的虐待、監視や細かな規制、孤立、経済的虐待など多様な手段を継続的に用いることを特徴とします。その結果、被害者は「自由に感じ、考え、行動する権利」を侵害され、自分の言動を自己規制せざるを得なくなります。
イングランドでは2015年に重大犯罪法(Serious Crime Act)が施行され、この「強圧的かつ支配的な行動」が犯罪とされ、日常生活の統制やデジタル技術を用いた監視、友人や家族からの孤立、繰り返される侮辱や脅しなどが対象となる行動となっています。
強圧的コントロールは、DVの重篤度や危険性、影響の判断が「身体的暴力の有無」に偏ってきた従来の理解や対応に対して、重要な警鐘を鳴らすものといえます。
強圧的コントロールを行い加害者は、身体的な暴力だけでなく、心理的虐待、監視や細かな規制、孤立、経済的虐待など多様な手段を継続的に用いることを特徴とします。その結果、被害者は「自由に感じ、考え、行動する権利」を侵害され、自分の言動を自己規制せざるを得なくなります。
イングランドでは2015年に重大犯罪法(Serious Crime Act)が施行され、この「強圧的かつ支配的な行動」が犯罪とされ、日常生活の統制やデジタル技術を用いた監視、友人や家族からの孤立、繰り返される侮辱や脅しなどが対象となる行動となっています。
強圧的コントロールは、DVの重篤度や危険性、影響の判断が「身体的暴力の有無」に偏ってきた従来の理解や対応に対して、重要な警鐘を鳴らすものといえます。
DV被害者・相談者への「面接ツール(改訂・増補版)」
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この面接ツールは、パートナーからの暴力や支配的な言動を受けている人(その可能性がある人も含む)に対して、面接において、支援者がDVや支配のメカニズム、その影響について伝え、被害者本人とともに何ができるかを考えるためのツールです。また、DVの本質である「強圧的コントロール(coercive control)」の視点を重視し、この理解に立脚した支援のあり方を意識して構成しています。
トピックス監修・面接ツール著者
- 増井 香名子
- 日本福祉大学 社会福祉学部 准教授
- ソーシャルワークや心理的支援を専門とし、女性福祉・子ども家庭福祉・DV被害者支援などに関する実践研究に取り組む。大阪府立大学大学院で博士号取得。著書・論文多数。行政委員を歴任するとともに、国や地方公共団体等の専門職向け研修講師を務める。社会福祉士・精神保健福祉士・公認心理師の資格を持ち、実践と理論の両面から福祉の発展に貢献している。
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