第22回高校生ふくし文化賞エッセイコンテストに、全国各地および海外の高校生の皆さんから7,841点という多数の作品を応募していただきました。
今回から二つ大きな変更を行いました。一つは、コンテストの名称の変更です。これまで以上に幅広い視点で「福祉」について、考えていただける機会にしたいと思い、“高校生福祉文化賞”を“高校生ふくし文化賞”と、ひらがなの「ふくし」(ふつうのくらしのしあわせ)に変更いたしました。この表記は本学の「ふくしの総合大学」と同様のメッセージを込めています。
もう一つは、文字数の変更です。これまで3分野全てが800字以内でしたが、第3分野を400~500字に変更しました。文字数が減ることで書きやすくなるのか、あるいは書きたい内容が書ききれなくなってしまうのか、両方の意見がある中で、変更に踏み切りました。その結果、応募作品の約55%を第3分野が占め、応募数は前回から1.5倍となりました。ストレートで読みやすい作品も多く、800字とはまた別の良さがあることの発見がありました。
今を生きる高校生たちが「わたしとふくし」というテーマで、日常のくらしのなかにある「ふくし」を切り取り、一人ひとりの想いを見事に表現してくれました。応募してくれた高校生の皆さんに、心よりお礼を申し上げます。また指導にあたられた先生方、朝日新聞社をはじめ共催、後援をいただいた諸団体の皆さまにもお礼を申し上げます。また、最終審査を担っていただいた審査員の先生方をはじめ、このコンテストの企画、プレ審査等に関わっていただいた全ての皆さまに感謝を申し上げます。
応募いただいた作品は例年同様にどれも力作揃いで、最終審査に残った45作品(各分野15)の中から受賞作品を決めていくことは、とても難しいことでした。レベルが拮抗した作品の中で賞に選ばれた作品は、どれも自身の体験や経験をもとに素直な文章で表現されており、読み手にその情景や作者の感情が伝わってくるものでした。その上で、エッセイの中にその人なりの「ふくし」へのメッセージが強く込められていることが評価のポイントになったと思います。
最終審査の結果、各分野11点、合計33作品を受賞作品として選ぶことができました。
今回、賞に選ばれなかった作品の中にも、受賞作品に匹敵する良作が少なからずあったことを申し添えておきます。また、多数の作品を応募いただき、最終審査に残る優秀な作品が多かった学校として、優秀学校賞3校、奨励学校賞10校に学校賞を贈らせていただきました。
高校生が社会の現状や課題をみつめて、感じたことや考えを文章として表現することは、とても意義のあることだと思います。これからも文章を書くことで自分の考えを表現することを継続し、今後さらに成長していかれることを願っています。
日本福祉大学学長