このページのメインコンテンツへ移動

研究内容

 本研究は、社会福祉研究を基盤とするもので、これまでソーシャルワークの領域で発展してきたスーパービジョンを、ヒューマンケア領域全般に拡大するとともに、重層的と表現したようにミクロにとどまらず、組織・地域のメゾのレベルにまで拡張・開発していきます。
 また領域においても、新たにその人材育成が求められている権利擁護ソーシャルワーク、虐待防止ソーシャルワーク、スクールソーシャルワークや多文化ソーシャルワーク、地域包括ケア、ソーシャルケアワークの領域をも視野に入れています。また多分野多職種との連携におけるスーパービジョンの方法論も重視しています。
 研究の推進では4つの段階を設定しています。

  1. スーパービジョン研究の古典であり、かつ最新の研究成果であるA.カデューシン「スーパービジョン イン ソーシャルワーク 第5版」の翻訳を通して、歴史的に展開・変容するスーパービジョンの概念・機能の共通基盤を形成
  2. メゾ領域を含む各領域で展開されているスーパービジョンの新たな価値・スキル・知識の帰納法的な抽出と方法論の吟味検証
  3. これらの要素をもとにスーパービジョンの再概念化と、人材養成上の課題の抽出
  4. 組織・地域レベルでの新たなスーパービジョンシステムの提案

 また、研究領域として「ソーシャルワーク」、「ソーシャルケア」、「権利擁護支援」、「法人マネジメント」の4つの柱を設定します。その4つの領域を、個人・組織・地域の3つの層に区分して調査研究を展開します。

  1. 個人を対象とした層では、主に質的調査方法を用い、各領域でのスーパービジョンのスキルや価値ジレンマの抽出を行う。
  2. 組織の層では、スーパービジョンのシステム化を念頭に、法人における事業企画や組織や地域を巻き込んだケース検討会議、組織と行政や地域住民との地域連携会議といった単位に研究対象を広げ、その実態や課題、方法、プロセスを明らかにしていく。
  3. 地域の層では、スーパービジョンシステムを展開していく方法の検討と開発を目的として、人材養成のためのプログラム開発等のモデル事業を実施し、実践者の方々と共同で研究する。

 最終段階としては、重層的に集団・組織・地域まで見通し、展開・介入までも行うマネジメントシステムとして、スーパービジョンの守備範囲の拡張性を検討していきます。

page top