アジア福祉社会開発研究センター
高知県黒潮町で「中山間地セミナー」を開催します
(10月10日)

アジア福祉社会開発研究センターは、中山間地における福祉社会開発モデルを追求するため、高知県自治研究センターと共同して、高知県黒潮町でのフィールドワークに関わってきました。理論的には「集落福祉」概念を構築し、実践的には高知県の地域福祉政策の進展を支えていきたいと考えています。2014年10月、地元の関係者のみなさまとともに意見交換の場を設けます。

中山間地セミナー
黒潮町から発信する≪集落福祉≫
―福祉と生産を結び、地域での暮らしを考える―

公益社団法人高知県自治研究センター&
日本福祉大学アジア福祉社会開発研究センター 共催
  高知県幡多郡黒潮町 後援

開催日時

2014年10月10日(金) 9:20−12:30

開催場所

黒潮町保健福祉センター2階大ホール(高知県幡多郡黒潮町入野2017-1)

開催の狙い

 中山間地域での集落機能の維持は、地域福祉や産業振興の基盤となるばかりでなく、住民主体の防災活動を促進していくための前提である。しかもこれらは、沿岸部と中山間地域が一体となった取り組みを必要とし、関係者間の協議と連携が求められている。このセミナーでは、黒潮町の中山間地で展開中の取り組み事例を持ち寄り、≪集落福祉≫というべき新しい総合的観点を練り上げつつ、実践的にも関係者間で課題と今後の可能性を話し合う。
 事例としては、あったかふれあいセンターや集落活動センター、庭先集荷等の既存事業を取り上げ、そこにみられる福祉と地域振興の統合の方向性に注目する。またこれらの取り組み経験を、中山間地でも進行中の地区防災計画づくりの中でどのように活かしうるか、コミュニティ再生、地域としての備蓄、沿岸部との交流等の観点から検討し、町内の事業間連携の手立てについて意見交換の場とする。
 これらの議論を通じて、全国の多くの中山間地域を、単に条件不利地域とみなすのではなく、町全体の活性化に向けて必要な資源であり防災拠点であると捉えなおす端緒としたい。また、そこに住む高齢者層を、単にケアの対象とみなすのでなく、働く喜びと社会参加を回復してコミュニティ維持に貢献する主体と捉えなおす作業の一歩としたい。こうした集落福祉概念がいわば「黒潮町モデル」の一端を形づくり、やがて他町他県へ発信されていくことが期待される。

参加者

黒潮町職員、関連団体(NPOしいのみ、有限会社ビオス、等)、中山間地域住民団体(地区協議会等)、他市町村の関連事業担当者、県の関連部課担当者など。

司会進行

日本福祉大学 平野隆之教授 & 高知県地域支援企画員 宮地美智子氏

プログラム

9:20-9:30 開会挨拶
  (公益社団法人高知県自治研究センター常務理事 石川俊二)
本日の狙いと期待
  (公益社団法人高知県自治研究センター理事 畦地和也)
9:30-10:00 話題提供1
黒潮町訪問の経緯と中山間地域の≪集落福祉≫への期待
  (日本福祉大学アジア福祉社会開発研究センター)
10:00-10:20 話題提供2
住民のまちづくり防災活動における中山間地域の役割と可能性
  (情報防災課課長 松本敏郎氏)
10:20-10:40 話題提供3
生産×生活拠点としての<ほくごう>の一体的な取り組み
  (集落支援員 堀由紀氏 & NPOしいのみ 濱村美香氏)
10:40-11:00 話題提供4
中山間地域の維持に向けて庭先集荷事業から言えること
  (有限会社ビオス 浜田幸彦氏 & 米津徳夫氏)
11:15-11:30 質疑応答
11:30-12:15 全体討論
12:15-12:30 振り返り・閉会挨拶
  (日本福祉大学アジア福祉社会開発研究センター長 穂坂光彦)