看護学部
2025.10.21
現役看護師である父への尊敬と、自身の入院時に受けた献身的な支援の経験から看護師を志し、看護学部に進学した石川さん。学びを重ねるなかで関心の幅が広がり、大学院進学を視野に入れるようになりました。今回は、印象に残った講義や、将来めざす医療職としての姿についてお話いただきました。
原田学長 石川さんが本学の看護学部に進学されたきっかけを教えていただけますか。
石川さん 現役看護師である父の姿を見て、自然と「看護師」という仕事に関心を持つようになりました。さらに高校時代に病気で入院した際、患者を思いやる看護師さんに支えられ、「自分もこの仕事に就きたい」と強く思うようになりました。なかでも日本福祉大学を選んだ理由は、「ふつうのくらしのしあわせ」という標語に共感したからです。患者さんに寄り添う看護を学べる大学だと感じ、入学を決めました。
原田学長 お父様が現役で看護師をされていることは、とても頼もしく、石川さんにとって大きな刺激になったのではないでしょうか。その姿が、憧れを抱くきっかけにもなったのだと思います。石川さんは保健師課程にも登録されていると伺いました。どのような点に関心を持たれたのでしょうか。
石川さん 日々の講義を受けるなかで、「目の前の患者さんをケアする仕事もきっとやりがいがあるが、地域全体の健康を守る保健師という仕事も挑戦のしがいがある」と思い、保健師課程に登録しました。課題の一環で、グループごとに住民目線で地域特性をまとめる活動があり、私を含め3名で東海市荒尾町を担当しました。主要駅以外の交通の便が悪く、高齢者の通院や生活に不便があると推測できました。この経験を通じて、インターネットなどの情報に頼りすぎず、自分の目で確かめたことをまとめる大切さを学びました。
また、水谷聖子教授はじめ地域看護学領域教員の指導の下で企業や学校、保健所、施設などでの実習に取り組みました。病院とは異なり、元気な方が多く、健康教育や健康管理など課題の幅が広いため、課題を特定する難しさを実感しました。そうした経験を通じて、多くの学びを得ることができ、充実した日々を過ごしました。
原田学長 実習が大きな契機となったのですね。本学では多職種連携教育にも力を入れていますが、そこで得た学びや考えさせられる場面はありましたか。
石川さん 社会福祉学部の学生とともに取り組んだ『ふくしフィールドワーク実践』では、異なる職種や視点が揃わなければ、患者さんにより良いアプローチはできないと実感しました。座学でもその重要性は理解していたつもりでしたが、実際に現場に入ってこそ、その必要性を強く感じることができました。
原田学長 実習で指導員の方や他大学の学生と関わる中で、本学の看護学部ならではの強みや特徴を感じた点はありますか。
石川さん 本学の学生は、積極的にコミュニケーションを取る人が多い印象があります。指導員の方や患者さんからも、その姿勢を評価していただくことが少なくありません。私自身、入学前は自信がなかったのですが、自分が「話すことが得意なのか」「聞くことが得意なのか」を理解することで克服できました。また、普段の交流グループは異なっていても、グループワークではお互いの意見を尊重し合いながら協力できる点も、本学の特長だと感じています。
原田学長 コミュニケーション能力はどの仕事においても大切ですが、命に関わる医療職では特に欠かせませんね。卒業後の進路については、どのように考えていますか。
石川さん 現在は緩和ケアに関心を持っています。来年からは日本福祉大学の大学院看護学研究科に進学し、さらに学びを深めた上で、2年後には地元の病院で就職したいと考えています。これまで取り組んできた地域協働の学びを、緩和ケアにどう活かせるのかを探究したいと思っています。就職後は看護師として働くのか、保健師として働くのか、まだ方向は定まっていませんが、どの道を選んでも必ずこの経験が生きてくると考えています。
原田学長 これからの看護は社会の変化に合わせてそのあり方も変わっていくと思います。石川さんはどのような医療職を目指していきたいと考えていますか。
石川さん 患者さん本人やご家族の希望に寄り添い、退院後の暮らしも支えられる看護を実現できる医療職をめざしています。身体だけでなく、心の看護も大切にしていきたいと思います。
原田学長 石川さんのお話を伺い、興味から始まった看護への思いを大学で深め、保健師課程の履修や大学院進学を視野に入れるなど、着実に視野を広げてこられたことがよくわかりました。看護学部の学生のロールモデルの一人だと思います。人に寄り添う姿勢を大切にしながら、今後のご活躍を期待しています。
実習や国家試験対策をともに頑張る保健師の仲間たちとお互いに感謝し、励まし合うため、
「にっぷくありがとうの花」という寄せ書きを作成しています。原田学長にもメッセージをいただきました。