シンポジウム記録
『環伊勢湾産業観光のルーツをたずねて』
【まえがき 「環伊勢湾」という発想より 一部抜粋】
「環伊勢湾」の<環>は、使い慣れた表現に揺さぶりをかけ、いくつもの文脈を引き出そうという冒険を示しています。
「環」は、さしあたり「環―」。<ワ>です。<メグラスこと>でもあります。
「環列」・「環状」・「環海」・「環座」とくれば、イメージはだんだん広がります。その先に、問題になっている「環境」を位置付けてみると、「環―」の問題状況は鮮明に浮かび上がります。そうです。交流・交換の「ネットワーク」。
「環伊勢湾」という表現は動態的な表現です。
まずそれは、①新たな関心と共に浮かび上がる複数の問題の<カタチ>を示し、②当の複数の<カタチ>を問題にしようとしている私たちの側にフツフツとただよっている問題意識も示しています。ですから、③そこに展開するもろもろの見解がにぎやかなシンポジウムになるのに必定です。これも交流・交換の生きた「ネットワーク」です。
おかげで、参加者は聞き役に徹しなくてもいいわけです。耳を傾けているうちに自分の関心が鼓舞され、自分も何か発言したくなる―そうなったらしめたもの。ドラマの主人公になれるのですから。
- まえがき「環伊勢湾」という発想
- 知多半島総合研究所所長
堀内 守
目次
- シンポジウムプログラム
- シンポジウムの様子
- 口絵
- 口絵出展
- 基調講演 環伊勢湾の文化風土
- 専修大学文学部教授
青木 美智男
- 報告1 環伊勢湾の生産力と尾州廻船
- 日本福祉大学経済学部助教授
曲田 浩和
- 報告2 産業発展の基盤―技術の蓄積―
- 中部大学人文学部助教授
篠宮 雄二
- 報告3 環伊勢湾をめぐる文化と人の交流
- 知多半島総合研究所助教授
髙部 淑子
- 統括発言
- 社団法人日本観光協会中部支部長
須田 寛
- あとがき
- 日本福祉大学知多半島総合研究所主幹
山本 勝子