日本福祉大学

日本福祉大学 学園創立70周年記念サイト

日本福祉大学 70年のあゆみ 1953〜2023 日本福祉大学 70年のあゆみ 1953〜2023

日本福祉大学70年のあゆみ

日本福祉大学の70年のあゆみを
いくつかの物語とともにご紹介いたします。

#2 建学の精神

建学の精神

 「中部社会事業短期大学は、その根本精神として、高く清き宗教的信念に根をおろした 教養が積まれる場所でありたいと願うのであります。
 社会事業の経営について深い 問題を研究すべきはもちろんでありますが、社会事業の専門的知識人を作ることよりも、永遠向上の世界観と、大慈大愛に生きる人生観を把握した健全な人格を育て、広い世界的視野をもちつつ、社会事業を通じて、わが人類のために自己を捧げることを惜しまぬ志の人を、現実の社会に送り出したいのであります。
 今や新しい日本は、新しい文化的基盤を要求しております。それは、真・善・美・聖の精神文化、特に従来不振の状態にある聖―即ち信仰を他にして、奈辺にも見出し難いのであります。
 この悩める時代の苦難に身をもって当たり、大慈悲心・大友愛心を身に負うて、社会の革新と進歩のために挺身する志の人を、この大学を中心として輩出させたいので あります。それは単なる学究ではなく、また、自己保身栄達のみに汲々たる気風ではなく、人類愛の精神に燃えて立ち上がる学風が、本大学に満ち溢れたいものであります。
 釈尊のお言葉、
『我が如く等しくして異なること無からしめんと欲す』
 この一偈を、精神的根源としたいのであります。
 これぞ、本大学学徒等の、魂の奥底に鳴り響かすべき、真理追求の基調でなければならないのであります。」

 昭和28年4月1日
学園創立者 鈴木修学

創立者が語る建学の精神

創立者が語る建学の精神
※御開山上人遺稿集(日蓮宗法音寺 平成11年6月7日発行)より一部抜粋

我が如く等しくして異なること無からしめんと欲す

日本福祉大学、学長の建学の精神の言葉の中に「我が如く等しくして異なること無からしめんと欲す」とあります。 これは法華経・方便品第二にあります。 私の著書「妙法蓮華経略義」の中では一一六頁、 九〇に次の如く出ています。
「舎利弗、当に知るべし。割れ本誓願を立てて一切衆をして、我が如く等しくして異なること無からしめんと欲しき。 我が昔の所の如き、今者已に満足しぬ」
“舎利弗よ、自分は仏陀伽耶において修行し、人生の深い意味を覚った。 そして世間に出て教えを説いたが、その教えを説く初めから、是非自分が一生涯必ず戻し遂げたいと誓願を立てた。その誓願は、一切衆生を教え導いて自分少しも変わらない仏にしてゆきたい、という願いである。”(略)

「世の中にはいろいろな人がいるけれど、すべての人を等しく『自分と同じ仏にしてやろう』。それが自分の理想である」とおっしゃるのであります。
これは実に驚くべきことであり、実に広大無辺な大慈悲であると感謝するものであります。(略)
この大慈悲を考えます時、第一に自分を軽んじてはならぬということ。そして第二には、怒ったり、愚痴を言ってばかりのどんな恩知らず者でも、仏になれる者だ。自分がもっと骨折ってやらねばならぬ。自分の努力にまだ欠けたところがある。もう一奮発しよう、 という心持ちが起こってくるのであります。母親が、自分の子どもが重病の時「我が命に代えても子どもの病を治したい」と、神さまや仏さまに祈る心と同じであって、これが大慈悲の心であります。(略)
次の九一番に、「一切衆生を化して、皆仏道に入らしむ」とありますことも、この続きのお言葉であります。
“一切の人々を教化して、自分と同じ心、即ち、自分が仏と同じような心になるとともに、他の人々をも皆、仏と同じような大慈悲の心持ちとなるように導いて、世の中の人々が幸福に暮らし、極く楽しい生活をして、いつも大きな喜びを感ずる者になるように。 そして自分の骨折りにより、一切の人に喜びを与え、一切の人に満足を与えるように努力する道、即ち仏道に入るらしめよう”というのであります。本当に味わうべき偈であると思います。
参考までに「建学の精神」の全文を掲載しておきます。 これは昭和二十八年正月、私が 身延山の日蓮宗大荒行堂で修行中に書いたものであります。

教育勅語

「万人の福祉のために、真実と慈愛と献身を」 創立10周年を機に「如我等無異」の
建学の精神をふまえた教育標語を制定しました。

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