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日本福祉大学 学園創立70周年記念サイト

ご挨拶 ご挨拶

学園創立70周年ご挨拶

日本福祉大学 学長

原田 正樹

日本福祉大学 学長 原田 正樹

 今から70年前、終戦直後の混乱期に本学園は産声をあげました。
大学校歌には「新しき国 生れ出でて 新しき人のしあわせ われら願えり」とあります。戦争に終止符を打ち、永久の平和を誓い、希望に満ちた未来の「しあわせ」を願って本学は誕生しました。
 しかしそれは時代の背景だけではありません。学園創立者の鈴木修学先生は、ハンセン病者や戦災孤児、障害のある子どもたちへの社会事業に身を挺して取り組まれました。理想と現実の葛藤、社会の混乱のなかで、次の時代を担う若者たち「人財」の育成を志したのです。

 鈴木先生は、こう記されています。
 「この悩める時代の苦難に身をもって当たり、大慈悲心・大友愛心を身に負うて、社会の革新と進歩のために挺身する志の人を、この大学を中心として輩出させたいのであります。それは単なる学究ではなく、また、自己保身栄達のみに汲々たる気風ではなく、人類愛の精神に燃えて立ち上がる学風が、本大学に満ち溢れたいものであります。」

 私たち日本福祉大学は、70年前の期待にどれだけ応えてこれたであろうか。
 70年前の志を継承し、かつそれを乗り越え発展させられただろうか。
周年事業とは日本福祉大学と縁を結んだ一人ひとりにとって、自らの短い人生の尺度を越えて、過去から現在をリフレクションする機会にしなければなりません。そして同時に未来を構想する「とき」でもあります。

 日本福祉大学の歩みは、戦後の社会福祉、そして社会とともに発展してきました。
 その時々の社会課題に向き合い、社会の「しあわせ」のあり方を探求してきたのが本学です。
 しかし、70年を経ても、私たち人類は戦争を繰り返し、ウイルス感染に苦しめられ、自然災害の前に立ち竦み、貧困と分断の現実に直面しています。
 けれどそれに絶望してはなりません。
 社会の革新と進歩のために挺身する志、そして人類愛の精神に燃えて立ち上がる学風こそ、今、世の中から求められる本学の使命です。
 日本福祉大学は、社会とともに、70年の歩みを踏まえて、さらに発展していくことを誓いたいと思います。

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