出生前診断についてはいろんな考えがあると思います。高校1年生の作者がそこに問題意識を持ったこと、そして、「異常」と「普通」という難しい問題を自分で考えて、「命に選択肢はあってはならない」という結論を出したことに感心しました。その賛否両論のある問題を必死に考えぬく姿勢に審査員の私たちも、共感します。作者が将来、結婚して、小さな命を授かった時に、このエッセイを書いた時の気持ちを思いだして欲しいと思います。「生命」をテーマにした作品は他にもありましたが、この作品は論旨が明確で、文章としてよく書けている点を評価して、審査員特別賞に選びました。