36℃の言葉。あなたの体温を伝えてほしい。 2014年度 日本福祉大学
第12回 高校生福祉文化賞 エッセイコンテスト入賞作品集
学長メッセージ
審査員の評価と感想
入賞者発表
第1分野 人とのふれあい
第2分野 あなたにとって家族とは?
第3分野 わたしが暮らすまち
第4分野 社会のなかの「どうして?」
学校賞
 
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入賞者発表
第3分野 わたしが暮らすまち
優秀賞 不戦の誓い新たに
立命館慶祥高等学校 三年 藤田 沙織

 「二度と同じ過ちを繰り返さないために、私たちはヒバクシャの痛みを訴え続けていかなければならないのです」英語でスピーチをする私。周りには同じ志を持った日本の高校生達。私は、スイス・ジュネーブにある国連欧州本部を訪れているのです。
 この国連訪問のきっかけは、高校生平和大使に選ばれたことです。高校生平和大使は核兵器廃絶と平和な世界を目指す活動。「受かればいいなあ」と軽い気持ちで受けた結果、私は「核兵器廃絶、世界平和」のための使命を背負うことになりました。
 私が住んでいるのは北海道。被爆地である長崎、広島とはとても距離がある。そのため、高校生や人々の関心の差に、とても衝撃を受けました。そのなかで、北海道にも原爆資料展示館があることを知ったのです。  住宅街の中に原爆ドームにとても似た形の家がある。一目でわかりました。ここが、原爆資料展示館だと。中に入ってみると、偶然にも、館長であり北海道被爆者協会会長である越智さんにお会いすることができたのです。初めの印象は、とてもかわいらしいおばあちゃん。この方がヒバクシャだなんて、言われなければわかりませんでした。
 「今の時代はね、自由に発言する権利があるでしょ。でもね、戦争当時は自由に発言ができなかったの。間違っていることを間違っていると言うことすらできなかった。もし、訴えても、待っているのは連行、処罰」涙を流しながらおっしゃった越智さん。私はこのとき、はっと気が付きました。今は自由に発言する権利があるからこそ、二度と同じ過ちを繰り返さないように活動することができるということを。
 「核兵器廃絶と平和な世界の実現のために署名のご協力お願いします」一人でも多くの署名を集め、平和の輪が広がっていくように今日も私は活動をし続けるのです。

講評

 高校生平和大使として国連欧州本部を訪れて英語でスピーチをしたり、今も署名活動を続けたりする行動力に感心しました。原爆資料展示館が、北海道にもあることを初めて知った読者も多いのではないでしょうか。広島や長崎まで行かなくても、身近なところでも原爆や戦争について学ぶことができる気付きや、国連欧州本部のような特別な場所で体験した特別な出来事を通して感じたことを素直にまとめています。文章もとてもしっかりしていて、背伸びをせず、高校生らしい等身大の文章になっているところもいいと思います。

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