合理化を追求して、採算が合わない古い物が消えていく現代の風潮に対して問題を提起するいいエッセイです。しかも、一日の時間の経過がよくわかるように書かれ、大変具体的・写実的に書かれている点もすばらしいと思います。出だしの「ピーッ!」もとても印象的で良く、五感をフルに働かせてこのエッセイを書いていることが読者に伝わってきます。「廃線」という、現代では珍しくはありませんが、非日常的な地元で起きた出来事がドラマチックに描写されています。表現力豊かに、そして熱い思いを込めて書いている点に、心を打たれました。