自分が実際に体験したこと。そして、その体験を通して考えたことを、うまくまとめています。東日本大震災の時に、作者が住むまちではどういう対応をしたかや、どんなつながりがあったかを具体的に書いているところがいいと思います。そして、事実だけを書くのではなく、自分の命を守るために「てんでんこ」で真っ先に逃げるのか、それとも地域の人たちを助けるのか……というギリギリの選択をしなければいけない時にどうするかを、みんなで知恵を絞り合わなければいけないという作者のメッセージまできちんと書かれているところがいいですね。