第2分野では、お父さんを取り上げた作品は少なかったのですが、文章の端々に作者とお父さんの親子関係の良さがよく表れていて、この作品が一番良かったと思います。小さい時から「いつも砂だらけで恥ずかしい」と思っていて、授業でも父の職業を隠していたという女の子の素直な気持ちが書かれていて、共感できます。そして、父の東日本大震災の被災地で仮設住宅をつくりに行った時の話を聞き、「むしろ自慢できる」と誇りを感じるようになった作者の気持ちの変化も、しっかり書かれています。お父さんを応援したいという気持ちを込めて、審査員特別賞に選びました。