作者と妹・弟との関係がうまく表現されています。書かれている内容は、飛び抜けてスゴイ経験をしているわけでも、感動的な体験をしているわけでもありません。しかし、「お家のお友だち、早く産んで!」や「私の心の扉をノックする」といった表現を交えた文章がとても上手ですし、余分な説明がそぎ落とされていてテンポよく読めるので、完成度の高いエッセイに仕上がっています。特に、最後の締めくくりがいいですね。「大好き」という言葉は第二分野ではよく使われている言葉ですが、「ありがとう。大好きだよ、二人とも。」の言葉から、作者の温かい気持ちがとてもよく伝わってきます。全審査員が高い評価をした作品です。