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いつの時代も、若い人たちの感性のゆたかさには驚嘆します。
知多半島が生んだ新美南吉の『ごんぎつね』にしても、小栗風葉の『青春』にしても、五感の根底にある共通感覚が研ぎ澄まされています。今回も、そういう域に迫る素材の輝きを、いくつかの作品に見出すことができました。
次は、推敲です。「本当にそういう表現が適切なのか」、「自分の思いや感覚に照らして一番納得のいく主張となっているのか」、「結論にひっぱられて文章を作りすぎてはいないか」、「タイトルが文章全体を適切に表現するものになっているのか」等々、もっともっと丁寧な吟味が行われることを期待します。
どの作品にも、「いのち」を大切にし、「くらし」をゆたかにし、「いきがい」がもてる「ふくし」あふれる社会への序曲が奏でられています。
ところで、みなさんは「天国の食卓・地獄の食卓」という話をきいたことがありますか。天国も地獄も、中華バイキング形式の丸テーブルに七-八人が座ります。ただ一つだけルールがあって、箸がやたらと長いのです。地獄の食卓では、我先に食物を口に運ぼうとしますが、うまくいきません。まさに地獄の光景です。天国ではどうでしょうか。お互い同士が箸でつかんだ食物を相手の口に運びます。なごやかな風景です。
無縁社会から福祉社会へ。みなさんの温かな気持ちを大切にして、「天国の食卓」がみんなのものになるように力を合わせましょう。
最後に、多数の応募と、諸先生方のご指導、企画を支えたすべてのみなさまに、心よりお礼を申し上げます。
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