「腹が立ったこと」
三重県立相可高等学校 3年
岩崎 愛
テレビの中で、最近人気の芸人二人が苦痛の表情で、マグロを食べている。
マグロ丸一匹を数日間で食べきるという企画らしい。そのマグロはとても大きく、値段もだいぶと高そうだった。
二人も初めのうちはそのおいしさに感動して「うめー、うめー」と言いながらパクパク食べていた。しかし、あまりの量の多さとマグロの脂にやられ、だんだんと箸がすすまなくなる。でも番組の企画だから食べ続けなければならない。二人は「気持ち悪ぃー、もー食べたくない」と言いながら、無理矢理マグロを胃に流し込んでいる。
じゃあ、もう食べるなよ。私の怒りはピークに達していた。この番組はどうかしている。いくら仕事とはいえ、この企画を受けた芸人たちもどうかしてる。世の中には食べたくても食べられない人たちもいるのに、その人たちがこの番組を見たらどう思うだろうか。
私はすぐに番組ホームページの掲示板にアクセスした。この意見を書き込もうと思ったのだ。こんな企画、苦情殺到に決まってる。そしてみんなの書き込みを見て驚いた。「おもしろい♪頑張って!!」「今度は牛1頭でやってみたらどうですか?」
ああ、日本人は生活が豊かになりすぎて、とうとう食べ物が遊び道具になってしまったのか。本当にショックだった。
これではいけないと思い、私は自分の意見を書き込んだ。しかし、それがホームページ上に掲載されることはなかった。都合の悪い意見は消されてしまうらしい。
飲食店でたまに見かける“珍メニュー”も、おいしくないとわかりきっているのに注文する人がいる。こんなものを作る側もどうかと思うが、注文した人は責任をもって最後まで食べるべきだと思う。
食べられることは決して当たり前ではない。食べ物への感謝や食べられることの幸せを、もっとよく噛みしめてほしい。
最近のテレビ番組を見て、食べ物を遊び道具にすることに怒りを感じる筆者の気持ちに、私たちも共感します。文章もイキイキしており、若い人の言葉で怒りが伝わってきます。「珍メニュー」というのがどんなものなのかわからないので、具体的に書いて欲しかったです。
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