「私達の思い」
千葉県立松戸国際高等学校 3年
守屋 陽香
レストランのアルバイトを始めて1年、初めは楽しかったアルバイトに最近、何か違和感を感じる。毎日、大量に出される期限切れの廃棄物。衛生のために、と大量の水を使って何度も繰り返されるたくさんの洗い物。一口、二口しか食べていない料理や飲みほされていないドリンクを見ると私はやりきれない気持ちになる。多くは、サービスで出す水にも目はとめず、氷で冷やされたグラスがテーブルの上で汗をかいている。そして最近、お店に高級感を出す事を目的に新しく考案された物がある。それは客席に紙のテーブルマットを敷くのだ。例えマットが汚れていなくても一人一人、新しいものに変えなければならない。この話を聞いた時、私の中にあった違和感が一つの大きな疑問に変わった。
「どうして?」
なぜマットを使う必要があるのか。そしてなぜ紙のマットにするのか。今、世の中では地球温暖化や環境汚染などあらゆる問題が報道されている。今や、誰でも知っている、世界共通の大問題である。しかし大の大人達がレストランのイメージを変えるために提案し、話し合い、検討を重ねた結果がこのシステムをつくることだったのだろうか。ある日「せめて紙のマットではなく布のマットに変えて洗って使うのはどうですか?」と提案してみたが、高校生アルバイトの私の話は聞いてもらえるはずもなく、何もする事ができなかった。
私は受験を控え、アルバイトをやめる事になったが、だからと言って関係ないと思える問題ではないと思うし、大人が決定した事に対しておかしいと感じても私達高校生の意見が何の効力も持たない事に何とも言えない歯痒さを感じた。私達には分からない大人の事情があるのかもしれないが、私達だって世の中から何かを感じ取り、考えている。大人だけの枠で考えるのではなく、もっと私達の意見も聞いてほしい。それが、もしかしたら今の日本への助け船となるかもしれないのだから。
アルバイト先で見た「なぜ?」を形にして、「もっと聞いて欲しい」と、大人社会に異議申し立てをするという高校生らしい疑問を素直に表現しています。ちょっと理屈っぽい感じも受けますが、「紙のテーブルマットを敷く」という具体的な内容を書いていることに好感を持ちました。「私達高校生の意見が何の効力も持たない」とありますが、自分の体験なので「私達」と一般論にせず、「私の意見」にした方がいいと思います。
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