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入賞者発表
第1分野 人とのふれあい
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第3分野 国境を越えた交流
第4分野 社会のできごと「どうして?」
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入賞者発表
第4分野 社会のできごと「どうして?」
優秀賞 「小さな箱に託すもの」
福岡県立糸島高等学校 三年 原口 あずさ
 「死にたい」とみなさんは感じたことがあるだろうか。ふざけて軽い気持ちで思うのではなく、真剣な気持ちで、だ。
 現在、社会的な問題として注目されている集団自殺。その大半がインターネットの自殺系サイトで知り合った人達だという。こういった話を聞くたび、私はいつも不思議に思っていた。どうして知らない人と一緒に自分の命を終えてしまえるのだろうか。私は、何かに悩み、誰かに理解してほしいと望む気持ちは分かるような気がする。人は弱い存在で、悩みを持たない人はいない。だが、心から信頼でき、相談できる相手が身近にいないからこそ、インターネットで救いの手を差しのべてくれる人を探すのだろう。
 そんな時、新聞でインターネットと集団自殺の関連性についての記事を見つけた。その記事には「自殺者は死にたいと望みながらも、ネットに生きる望みを託すのだ」とあった。
 私はこの記事を読んで、インターネットは現代社会の縮図のようなものだと感じた。その中には社会の正と負の両方が入り乱れているからだ。現代に生きる人々は多くの悩みを抱え、苦しんでいる。自殺者は共に生きる相手を探していたのに、出会った相手には生きようとする勇気がなかった。だから、集団自殺という形で死を選んでしまったのではないか。そう考える時、サイトの存在が鍵となる。インターネットは自殺を考える人にとって希望を求める場所であり、悩みを抱える人にとっては救いを求める場所である。私達はもっと積極的にサイトを展開すべきだ。自殺者が多い今、悩みや苦しみを話せる場や、人々の心の負担を取り除いてくれる場が必要とされている。また、そういったサイトが定着していけば、人は心に余裕を持つことができ、悪質な犯罪や少年犯罪は減っていくに違いない。
 私は現代社会が生み出した「インターネット」という存在に、全く新しい形の福祉の可能性を見たような気がする。
  講 評
 インターネットで知り合った人たちの集団自殺という現代的なテーマを取り上げたことに、高校生らしさを感じました。文章もわかりやすく、よくまとまっています。しかし「私は現代社会が生み出した」以降の、最後のまとめ方が強引に感じました。この部分はむしろなかった方がよかったかもしれません。また「小さな箱」がパソコンを指すことはわかりますが、本文で「小さな箱=パソコン」といった結びつけをしておいた方が、読み手がより理解しやすくなると思います。

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