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入賞者発表
第1分野 人とのふれあい
第2分野 みんなが暮らすまち
第3分野 国境を越えた交流
第4分野 社会のできごと「どうして?」
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入賞者発表
第3分野 国境を越えた交流
優秀賞 「文化の共有」
青山学院高等部 一年 平岡 愛理
 私は小学生の頃、フィリピンのネグロス島に絵本を贈る運動に参加していたことがあります。まず、英語と日本語の両方の言語で書かれた絵本を購入し、自分が読んだ後、巻末に英語でメッセージを書いて日本の本部に送り、まとめてフィリピンに送ってもらうという運動です。ネグロス島には本屋が一軒しかなく、絵本よりも今日食べるものを必要としている子供達に、少しでも心の余裕をもってもらおうという目的で始まった運動でした。
 ネグロス島の子供達が私からのメッセージを読んで、どんな気持ちになっているか、私の好きな絵本を同じような気持ちで読んでいてくれるだろうか、できることならネグロス島へ飛んでいって、その様子をそっと陰から見てみたいとずっと思っていました。
 高校生になり、すっかりネグロス島のことも忘れてしまって、あの絵本が一体どうなったかなんて無関心になっていた私ですが、今回のイラク戦争の報道を耳や目にして、次はイラクの子供にこそ、こういう絵本が必要ではないかと思うようになりました。生まれた時から戦火に巻き込まれて育った国の子供達が最初に触れるおもちゃは、弾薬の抜かれた銃だそうです。悲しいことですが、それが事実です。戦争状態が当たり前の国では、子供が一日も早く、戦える大人になることを要求されているのです。そういう状態だからこそ、平和や命の尊さを教える絵本が必要ではないかと思います。まさしく、いまイラクの子供達に必要なものは、子供達に心の余裕を与えてくれる絵本ではないかと私は考えます。
 しかし、実際イラクではどんな文字が使われているか、今まで考えたこともありません。ただ可哀そうだと思っていただけです。だからこういう機会に、イラクの文化や言葉を学び、支援するというよりも、お互いの文化を共有しようという気持ちが大切ではないかと思います。今、私達高校生に何ができるか、仲間と一緒に考えていきたいと思います。
  講 評
 うまくまとまっていますし、同じ時代を生きる人々に思いをはせている点を評価しました。ネグロス島に絵本を贈る話からイラクに絵本を贈る話へ広がっていくという着想がおもしろく、16歳の少女の思考の過程がよく見えるエッセイです。その反面、文字数が限られているため、どちらのエピソードも中途半端な印象を受けます。どちらかに絞ってまとめた方が、インパクトが強かったのではないでしょうか。

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