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「平和への道」 |
千葉県立成田国際高等学校 三年 竹田 恵 |
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私はあの日を決して忘れない、高校生になった今でも。そして、これからも。
中三の春休みに研修旅行で中国を訪れる機会があった。初めての中国で多くのことを学び、素晴らしい日々を過ごした。その中でも一番印象的なのは、人々との交流であった。
八日間のうち一泊はホームステイで、そのホームステイ先の同い年の女の子、晶 とはすぐに仲良くなった。家族全員で歓迎し、たった一日なのに家族の一員として接してくれた。家を出る前には「ここも恵の家だから、またいつでも帰ってきてね」と言ってくれてとても感動した。それから晶 の中学校を訪問し、友達がたくさんできた。彼らは日本語を学んでいて、積極的に話しかけてくれたので打ち解けるのに時間はかからず、たくさんのお話やバレーボールなどをしているうちに、交流時間はあっという間に終わってしまった。
みんなと別れるのはつらかったが、再会を誓いながら一人一人と笑顔で握手をした。ふと見ると晶 が泣いていた。こんなに私のことを想ってくれてたんだ…。胸が熱かった。長い間涙が止まらなかった。
この世界には、国境を越えて通じ合うものがあることを確信した。中国の友達や家族の温かさに触れたこの日を私は一生忘れない。
過去に日本が犯した過ちを許すことができずに、日本人をよく思わない人々は数多い。それでも日本と新しい関係を築いていこうとする人々もいる。これは中国に限ったことではない。私達は歴史を知り、そこから明るい未来のために広い視野を持って学ぶことが大切だ。国際交流は目を向けて、心を開いて、相手を理解することから始まると思う。そうして多くのことを知り、共に考え、行動することができるのだ。私はあの日を胸に、これからも人々との交流を大事にしていきたい。
国境を越えた人々との触れ合い、交流から見えるつながりを感じる時が増えることを願う。これは平和への第一歩だと思うから。 |
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国際交流のテーマはいくつかありましたが、その中ではこの作品が一番よかったように感じました。特にアジアに対する関心が高い今、題材の選び方もよいと思います。中国への研修旅行でホームステイをしたときの気持ちがよく伝わってきました。しかし残念なのは、国際交流の重要性を書き手は理解しながら「では、自分は何をしたらいいのか」という具体論がなかったこと。そこまで一歩踏み込んで書けるとさらによかったと思います。 |
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