開発に関する理論的枠組を学び、開発経験の相対化と総合化を図ります。

本研究科の主な対象となるのは、途上国の現場の中で、如何にしてその地域社会の構造を把握すればいいのか、住民参加型の開発活動をどう運営すればいいのかと悩んできた方、地域の生活圏を踏まえつつ、マクロでグローバルな視野を獲得したいと考える方、学校教育や市民活動の場で国際理解・開発教育をどのように取り入れたらいいのか思案中の方々、などです。

これらの多岐に渡る大学院学生の開発経験を踏まえ、まず院生各自が有する貴重な経験や事例を相対化・総合化するため基礎教育科目をはじめとして、マクロ経済からミクロ社会、現状分析から政策論にわたる開発関連諸分野について総合的に解説しながら、開発領域を包括する「開発学」の枠組みの教育を行います。

こうした教育を踏まえることにより、大学院学生は各自の経験と事例を相対化する方法を修得し、お互いの経験の共有化が可能になります。

学位取得までの流れ

本研究科では、出願時に各リサーチ科目を担当する論文指導教員の希望を取り、入学審査により決定された指導教員のもとで、1年次では「2年間の学習計画と研究計画」、1年次終了までに「修士論文計画」を策定します。一方、テキスト科目を履修し、課題レポートを提出して単位を取得します。

2年次は論文計画に基づき、修士論文の執筆を開始します。修士論文指導はリサーチ科目の中でインターネット等を通して随時行います。また、スクーリング開催時に修士論文指導を行います。

修士論文指導とテキスト科目の課題レポートおよび国内外のスクーリングの経験を統合する形で修士論文を作成し、提出します。所定の単位数を取得し、修士論文審査に合格すれば学位が授与されます。論文審査は、原則として研究科内で公開の口頭試問によって行います。

4つの科目群

本研究科の教育課程は、途上国と開発に関する共通の理解を育み、実践的な研究方法論を身につける「基礎教育科目」、 実学としての開発学に必要な基幹的な知識と方法論を修得し、国際社会開発関連分野の中で履修者の個々の関心を掘り下げる「展開科目I・II」、 海外でのレクチャー・フィールドワーク・ディスカッションを通じ開発に必要な現場経験と応用力を身につける「地域開発研究科目(スクーリング科目)」、 院生各自の研究課題について相互討論を通じた問題解決型の研究指導を行う「リサーチ科目(研究指導科目)」の4つによって編成されます。

基礎教育科目 (テキスト科目、一部集中講義)

  • 開発研究入門
  • 国際社会開発の基礎
  • 研究方法論
  • 社会調査とデータ解析

シラバス(PDF)

展開科目 I (テキスト科目)

  • 途上国社会経済論
  • 開発組織・制度論
  • 地域社会システム論
  • 開発経済論
  • 開発のミクロ経済学
  • コミュニティ開発
  • 開発評価論
  • 地域社会開発論
  • 環境計画論

シラバス(PDF)

展開科目 II (テキスト科目)

  • 現場のためのICT活用
  • 国際保健論
  • 障害と開発
  • 開発協力論
  • マイクロファイナンス論
  • 国際開発ワーカー(支援者)のためのビジネスの基礎
  • 現地語による開発事例研究
  • Social Development
  • Participatory Development
  • 福祉社会開発演習
  • 国際社会開発特論 I ・II

シラバス(PDF)

地域開発研究科目 (スクーリング科目)

  • 日本及び東アジア地域開発研究
  • 南アジア地域開発研究
  • 東南アジア地域開発研究
  • アフリカ地域開発研究
  • 特定地域開発研究
  • 海外開発実践

リサーチ科目 (研究指導科目)

  • 国際社会開発演習
    リサーチテーマ:「開発と文化」「障害と開発」「ミクロ開発」「情報と開発」「ガバナンスと開発」「環境と開発」「住民主体の開発」「地域マネジメント」

リサーチ科目の概要(PDF)

※開講科目については変更になる場合があります。
※地域開発研究科目については隔年開講で実施される場合があります。

海外教育・研究拠点