スポーツ科学部
2023.12.26
これまでにトライアスロンの日本選手権大会において史上最年少優勝を果たすなど、輝かしい成績を収めてきた林愛望さん。トライアスロンの魅力や大学生活の様子などを伺いました。
原田学長 本日はよろしくお願いします。
林さん 日本福祉大学スポーツ科学部1年の林愛望です。よろしくお願いします。
原田学長 林さんはこれまで出場された大会ではどのような成績を収めてこられたのですか。
林さん 高校3年生のときに第28回日本トライアスロン選手権に出場させていただいて、そのとき史上最年少優勝を果たすことができました。また、今年で出場2回目となるアジアトライアスロンジュニア選手権でも優勝することができました。そして、今年の第29回日本トライアスロン選手権では2位となりましたが、同大会U-23では優勝を果たしました。
原田学長 トライアスロンは多くの人が聞いたことがある競技だと思いますが、具体的にどんな競技なのかを教えてもらえますか。
林さん トライアスロンはスイム、バイク、ランの3種目が合わさった競技となります。春先から夏くらいまでですと、スプリントディスタンスと言って、スイムが750m、バイクが20km、ランが5㎞の距離での大会が多いですが、夏後半から秋くらいまでですと、スタンダードディスタンスと言って、スイムが1500m、バイクが40km、ランが10kmという距離での大会が多いです。
原田学長 泳いでから自転車に乗って、さらには走ってとなると、聞いているだけでもすごく大変だと思いますが、林さんはどうしてトライアスロンにチャレンジしたいと思ったのですか。
林さん もともと水泳をやっていました。小学校1年生のとき、マラソン大会に向けて毎日走る練習をしていたこともあり、スイムとランだけのアクアスロンという大会に出場していました。愛知県で行われている認定記録会にも年に一回参加していました。愛知駅伝に向けての練習時に今のコーチに出会い、トライアスロンという競技があるけどやってみない?と誘われたのがきっかけで、小学校5~6年生の頃からトライアスロンを始めました。
原田学長 そこから中学高校と続けてきたわけですね。そんな林さんが日本福祉大学を志したきっかけを教えていただけますか。
林さん トライアスロンは続けたいということと、大学進学をしたいという思いがありました。トライアスロンを続けるなら今のコーチのもとで続けたいと思っていたので、愛知県内の大学を志望していました。それから、私自身、陸上部で駅伝がやりたかったということもあり、それがすべて叶う環境だったため、日本福祉大学への進学を決めました。
原田学長 トライアスロンはもちろん、陸上や駅伝もできるなどの条件が叶って日本福祉大学に進学を決めたのですね。大学入学後はどのような練習をされているのですか。
林さん 今は陸上部だけではなく、水泳部の練習にも参加させていただいています。バイクトレーニングは、朝や午後に美浜のロードを使って一人で練習しています。陸上部の集合が朝6時20分なので、夏はその時間から練習していますが、冬は日の出が遅くてバイク練習は危ないので、朝7時過ぎ頃から練習を始めています。1日のうちで多いときは、4~5時間程度、少ないときは2~3時間程度練習していますね。休みの日でも30~40分程度は練習をしています。とにかく続けることを心がけています。
原田学長 では朝6時20分から練習を始めて、それから大学に行き、授業が終わった後は水泳の練習をして…ということなんですね。大学生活のこともお聞きしたいのですが、関心のある授業などはありますか。
林さん 心理学の授業はおもしろいです。大会前に緊張してしまったり、ネガティブ発言をしてしまったりすることがあるのですが、克服するための方法や感情を抑えるための方法など、学んだ知識を実践に活かすことができるのでとても勉強になります。普段は部活の仲間とかかわることがほとんどですが、講義や実技が一緒の友達も多いので学生生活を楽しく過ごすことができています。
原田学長 心理学が競技にも役立っているんですね。お話をお聞きして、充実した大学生活を送れていることが想像できました。林さんは三井先生のゼミだとお聞きしましたが、ゼミではどのような研究をされているのですか。
林さん 今はトライアスロンにおける効果的なトレーニングについて研究をしています。専門用語を調べながらではありますが、自分の興味関心のあるテーマですのでとても興味深く研究を進めることができています。
原田学長 すべてがトライアスロンに繋がっているのですね。まだまだ先のことかもしれませんが、大学卒業後のことについても考えているのですか。
林さん まだ明確には考えていませんが、トライアスロンを続けられるところがいいなと思っています。
原田学長 トライアスロンという競技の魅力を教えてもらえますか。
林さん トライアスロンには3種目の競技があるので一つの種目で躓いてしまっても、あと2つの種目で挽回できるというところが魅力だと思っていました。ですが、ワールドカップのレベルになると、1つの種目で躓いてしまうと、順位が大幅に変わってしまうことを実感しました。競技を続けていくなかで、海や山など、多彩な自然を使った競技だということがトライアスロンの楽しみ方でもあるなと感じるようになってきました。大会が行われる会場によって自然の環境が違うため、力の入れどころも変わってくることがトライアスロンの魅力であり、難しさだと感じています。
原田学長 そうなんですね。トライアスロンの魅力がよく伝わってきました。この美浜や知多半島なんかは練習に適した環境ではないですか。
林さん そうなんです。信号もそれほど多くなく、アップダウンの坂道もあります。普段練習のできないゴルフ場を走らせていただくこともあり、水泳部の坂口先生の指導もあり、学内外においてとてもいい環境で練習をさせてもらっています。
『アジアトライアスロン U23・ジュニア選手権(2023/蒲郡)』
原田学長 世界で戦っていくことを目標にされていると思いますが、どの国に強い選手が集まっているのですか。
林さん アジア圏でいうと日本が一番強いと感じています。しかし、世界と比較すると日本人選手は強豪国の選手にはなかなか勝てないのが現状です。特に、ヨーロッパやアメリカ、オセアニアの選手が強いですね。
原田学長 林さんはそんな海外の選手たちと戦っているのですね。世界大会に出場すると海外に行くことも多々あるかと思いますが、現地でのコミュニケーションは問題ないですか。
林さん 主な共通語は英語ですが、日常会話くらいはなんとか通用します。ですが、外国人どうしの会話にはまだまだついけていませんね…(笑)
原田学長 最後に、大学の先生方やこれからトライアスロンにチャレンジしてみたいと思っている高校生へのメッセージをお願いできますか。
林さん 大会などで授業を休んでしまうこともあるなか、補講などで親身になって対応してくださる先生方のお陰でトライアスロンを続けることができています。競技を続けながらも学ばせていただけることに感謝しています。トライアスロンはまだまだマイナーな競技でもありますので、頑張り次第では国内外で戦えるチャンスが多い競技です。興味関心のある方がいればぜひチャレンジしてもらえたら嬉しいです!
原田学長 国内だけでなく世界へ挑戦し続ける林さんの想いが伝わってきました。これからも応援しています。本日はありがとうございました。