創立60周年記念式典

2018年10月12日東海市芸術劇場にて、創立60周年記念式典を開催しました。
和太鼓部の演奏で開幕し、生徒の誓いの言葉、小説家 誉田哲也先生の講演会、
草野翔吾監督の挨拶と映画上映会が開催されました。学校の成長を実感できる式典となりました。

和太鼓 演奏

「絆~和太鼓組曲『海嶺』より~」

《作調》
大脇 聡
(和太鼓集団 志多ら/
日本福祉大学付属高校和太鼓部OB)

《演奏》
日本福祉大学付属高等学校 
和太鼓部「楽鼓」

和太鼓組曲「海嶺」は、三浦綾子さんの小説『海嶺』を題材 にし、タイトルも原作者の遺族からいただいています。

江戸末期、14歳の音吉は千石船「宝順丸」で初航海に臨み ました。しかし途中大嵐に遭遇、生き残るため帆柱を切り倒します。太平洋をさまようなかで14名の乗組員は次々と倒れ、音吉 ら3名はアメリカに漂着、5年間世界各地を転々とし、多くの人 の支えの中で奇跡的に帰国の機会を得ます。「やっと日本に 帰れる。」しかし日本は鎖国時代、音吉らは帰国を断念し、仲 間と共に異国で新しく生きる道を選択していきます。

共に困難を乗り越えて生まれる「絆」、そして「絆」があるからこそ次の壁にも立ち向かっていける。私達が大切にしているものを、音吉の人生に重ねて表現します。音吉達を乗せた宝順丸 の上に暗雲がたちこめ、高波が船をゆらし始めました。本日の演奏は嵐がやってくる場面から始まります。どうぞお聴き下さい。

《日本福祉大学付属高等学校 和太鼓部紹介》

太鼓の音色は“こころの響き”

今年で創部30周年を迎えた和太鼓部「楽鼓(らっこ)」は、部員のほとんどが和太鼓初心者です。仲間と支え合いながら練習に励んでいます。  

全国高文祭には県代表として27年連続出場し、11回の入賞(最優秀賞2回、優秀賞3回、優良賞6回)を経験しています。海外公演も6回経験し、毎年東日本大震災被災地での激励演奏も続けています。近年、小中学校の芸術鑑賞会でも演奏の機会を数多くいただいています。

生徒誓いの言葉

「我が如く等しくして異なること無からしめん」

創立者・鈴木修学(すずき しゅうがく)先生はまさにこの言葉の通りに生きられた人でした。昭和のはじめ、社会の強い差別と偏見に苦しんでいたハンセン病の人たちと寝食をともにし、「普通の人として生きたい」という願いをかなえようとされました。戦争直後には、戦争で親を亡くした子どもたちや障害を持つ子どもたちの「父」となり、我が子のようにその子どもたちを育てられました。「どの子にも必ず良いところがある。」―修学先生の足跡は、「人間の尊厳を大切にすること」をいつも私たちに教えてくださいます。

今年の八月、私たちの付属高校は、ユネスコスクールに認定されました。ユネスコスクールとは、平和や国際的な連携を実践する、その拠点となる学校です。環境・貧困・人権・開発と言った様々な地球規模の課題を自分のこととしてとらえ、探究を深め、解決に向けて行動を起こす力を身に付けることが求められます。グローバルな視点で人間と社会の課題を考えるのは、私たちにとって簡単なことではありません。しかし、21世紀を生きていく人間として、豊かで平和な未来を創り上げるためには、極めて大切な学習だと思っています。その勉強は、修学先生のお考えの中心にあった「人間の尊厳を大切にすること」にまっすぐにつながるものだととらえ直しました。修学先生の教えに学び、学習を深めていきたい、ひと回り広い視野を持った人間に成長したいと考えています。

こんなにも大勢のご来賓をお迎えし、60周年記念式典が行われるその時に、付属高校の生徒であったことを心からうれしく思っています。足をお運びいただき、本当にありがとうございました。

「修学先生は高校のことが大好きだったんだよ」現在の学園長鈴木正修(すずき しょうしゅう)先生が修学先生を紹介される時のお言葉です。そのようなあたたかな視線の中で歴史を紡いできた高校の一員であることを誇りに思います。

高校創立六十周年。この喜びと誇りを胸に刻みます。そして、「つなぐ・ささえる・やり遂げる」力を持った人間として成長していきます。未来社会を担う、自律したリーダーに成長できるよう、真剣な学びを重ねていきます。

2018年10月12日  生徒代表 石田 理佳

講演会

《演 題》
「『世界でいちばん長い写真』
で描きたかったこと」
《講演者》
誉田 哲也 先生(小説家)
映画「世界でいちばん長い写真」原作者

1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。2003年、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。2006年刊行の『ストリベリーナイト』に始まる〈姫川玲子シリーズ〉は、現在の警察小説ムーブメントを代表する作品のひとつとして多くの読者を獲得し、映像化も話題となった。『武士道シックスティーン』『プラージュ』など、作風は多岐にわたる。青春小説『世界でいちばん長い写真』が映画化され、2018年公開。

映画上映会

《挨  拶》
草野 翔吾 監督
《映画上映》
『世界でいちばん長い写真』
(2018年作品/102分)

引っ込み思案で、これといった目標もなく、冴えない毎日を送っている高校写真部員の宏伸。高校最後の夏休みのある日、従姉の温子が店長をしているリサイクルショップで一台の風変わりなカメラと出会う。そのカメラは360度の撮影が可能な珍しいパノラマカメラだった。実際にパノラマカメラで撮影し、現像された写真に今までにない感動を覚えた宏伸は360度撮影したい景色を求めて、街を自転車で駆け回る。

世界でいちばん長い写真

日本福祉大学付属高等学校で実際にあった話を題材にした青春映画「世界でいちばん長い写真」が、2018年6月から全国で公開されました。撮影は前年夏、本校を含む知多半島を舞台に行われ、本校生徒らも参加しました。

創立60周年記念式典 式次第

※ボタンをクリックすると
PDFデータがダウンロードされます