研究報告

実践的活動を通したアシスティブテクノロジー (支援技術)に関する
機器および要素技術の研究 研究代表者:渡辺 崇史
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(4)入出力制御部
  利用時のスイッチ操作信号の入出力制御は,次項に述べるプログラミングされた信号制御モードに従って行なわれるが,これらは基板上のディップスイッチにて切替えることができる.また本プログラムには,スイッチ操作信号の受け入れ状態のモニタリング用に次の2つのタイマーを備えている.
  T1:スイッチ入力遅延時間の設定タイマー
  T2:出力先切替え時間の設定タイマー
  タイマー設定時間の範囲は,T1,T2とも0〜3.0(Sec)で,基板上のロータリースイッチにより,それぞれ0.2(Sec)単位の16段階で設定可能である.
(5)スイッチ操作時等のフィードバック
  利用時のスイッチ操作のフィードバックは,スイッチ入力受付時(T1タイムアップ時),リレー出力先切替え時(T2タイムアップ時)等にはそれぞれLEDの点灯,ブザーによる連続音または間欠音によって,利用者にフィードバックする.またT1やT2タイムアップまでの待ち時間についても,LED点灯状態の変化によってその状態を知ることができる.

図 1:インタフェース外観

図 1 インタフェース外観


4.2 出力信号制御モード

 本インタフェースのマイコンにプログラミングした出力信号制御モードを示す.これらは利用者の身体状況,操作対象機器等によって,最良なモードを基板上のディップスイッチにて選択する.

 

4.2.1 出力信号制御

 利用者等による外部からの操作スイッチ入力時間がT1(Sec)だけ経過すると,下記に示したそれぞれの制御パターンに従って,出力部のリレーに接点出力される.これらのタイムチャートを図2に示す.

  1. ダイレクト出力: スイッチ入力時間分だけ出力.
  2. 立ち上がり出力:一定時間だけ出力.
  3. 立ち下がり出力:スイッチ入力がOFFになった時,一定時間だけ出力.
  4. 立ち上がりラッチ出力:再度同様なスイッチ操作がされるまで,出力状態を保持する.
  5. 立ち下がりラッチ出力:スイッチ入力がOFFになった時,再度同様なスイッチ操作がされるまで,出力状態を保持する.
  6. なお,一定時間だけ出力する場合の設定時間は,0.4(Sec)とした.

図 2:出力信号タイムチャート
図 2 出力信号タイムチャート

4.2.2 出力信号切替え制御(フリッカー回路)

 4.2.1に示した出力信号制御パターンは,SW1へのスイッチ入力はOUT1に,SW2へのスイッチ入力はOUT2に出力されるように対応しているが,T1(Sec)経過後,T2(Sec)だけスイッチ入力があると,出力先を切替えることができる.(例:SW1がOUT2に対応するようになる).切替え後の出力信号制御パターンは,図2のタイムチャートに従うが,再度T1(Sec)経過後,T2(Sec)だけスイッチ入力があると,元の入出力対応に戻る.いわゆる,タイマーによるフリッカー回路である.この時のタイムチャートを図3に示す.

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Copyright(C):2006, The Research Institute of System Sciences, Nihon Fukushi University