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● 佐々木
河津さんの場合は福祉施設や土地の管理だったわけですが, またある別の人たち, 例えば単純に自分の子
供がのびのび遊べる場所が欲しいと思って行動をはじめると, 役所の縦割りに始まって, 様々な具体的な
問題に直面し, それを考えるとより大きな問題にぶつかるという経験をする. そこから自分の日常生活の
中の具体的な問題一つを解決するためには, 様々なことをもっと大きな枠のレベルで変えていかないとい
けないと考えている人達があちこちにおられるように感じます. 私は楽観的ですから, それがうまくつな
がって一つの力になればじきに日本はよくなると思う半面, やはり既存のシステムの力の大きさや無関心
な人の多さも気になります.
● 河津
価値観や感受性が多様になってきて, それだからこそ教育が大切になってきますよね. 結局は親が自分の
子から始めていかないと. 私も大したことは言えませんけど, 本当に大きい問題だと思います.
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子供の頃から何でもいいからとにかく自分の接している身近なところに対して, これでいいのかな, こう
したらい
いのかなというふうに考えていく力が育たないことには, 他は何も関係ない, とりあえず自分だけよけれ
ばいいとなってしまいますよね.
● 佐々木
世の中ではそれこそ情報のやり取りが大量高速化して, どこのどんな情報も手に入れやすくなっていると
言われながら, それが必ずしも世の中をよくしているわけではない. 福祉の世界では, 情報化はどのよう
にとらえられていますか?
● 河津
現場ではコンピュータのメリットを生かした面はまだ少ないと思います. これからは介護保険になるの
で, どうしても使わなければならなくなります.
ネットワークという意味では, 別段コンピュータは使っていませんが, 「愛知・名古屋ふくしネットワー
ク」 という組織があり, 私どもも加入しています. 同時期に 「あいち福祉オンブズマン」 が設立され,
ネットワーク会員と契約を締結しました. これは施設利用者の人権を擁護するという目的で, 利用者と施
設側の両方の意見を第三者であるオンブズマンが聞いて評価することを始めています. 第三者評価という
ことは全国的にも必要とされていますが, 組織ができているのはまだ少なく, 愛知は昨年の秋に設立しま
した. オンブズマンというと急進的なイメージもあって敬遠される方もありますが, 決してそうではな
く, 利用者の立場に立った意見が活かされれば, 施設もよくなるという方向で実績を積んでいこうとして
います. こういう場面でも, 最後のところは電話や直接会って話をすることになるでしょうけれど, コン
ピュータを利用すれば, 他のネットワークと情報を交換したりとか, 色々な面で使うメリットはどんどん
大きくなるでしょうね.
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