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図1:左上:頭の動き; 右上:HMDの映像; |
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画像解析によって回旋と同時に頭の傾きを検出するソフトを開発した. 両者を組み合わせることによって, 頭の傾きと眼球回旋運動の関係が詳細に検討できる. 図 1 に示された 4 分割映像に対して今回の解析法を適用した. 解析の分解能は 0.5度である. 各被験者に対して速度ゲイン (回旋最高速度 (高速相をのぞく) /頭部または画像の動きの最高速度) を求めた. その結果 (平均と標準偏差) を図 2 に示す. 速度ゲインの 5 名の平均値を求めると, see-through compatible mode, HMD mode,video mode のそれぞれで, 0.42, 0.30, 0.01 であった. 3 条件のいずれの 2 条件間でも統計的に有意な差が認められた (対応のあるデータの差の t 検定, p<0.01 or 0.001). 反対回旋の視覚抑制の順応現象については 1 名の被験者において繰り返し測定を行った. まず, See through compatible mode で数分間継続して反対回旋を測定したときの速度ゲインの時間変化を求めた. 次に, 最初 1 分間 See through compatible mode で, 引き続き 3 分間 HMD mode で, さらに 3 分間 See through compatible mode で反対回旋眼球運動を測定し続けた. 実験は原則として一日一回, 最大 3 回とし, 複数回行うときは 2 時間以上の間隔を空けた. その結果, See through compatible mode では, 数分間の継続では速度ゲインに変化がないことが示された. しかし, HMD mode では 3 分間の測定中にゲインが低下してくる. 回帰直線の傾きから, 1 分間に 0.025 ずつゲインが下がる. このほか, 電動イスで 30 分間以上継続してロール運動を行い, その時の反対回旋ゲインを一分ごとに解析した. この場合にもあきらかなゲインの低下をみとめる. ただし, 値は異なった. |
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