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知多研コラム

第3回 「知多半島の海と魚食」

 美浜の日本福祉大学からは伊勢湾が見えます。知多半島南部の海岸は国定公園に指定されており美しい。特に秋の夕日は美しい。冬は「鈴鹿おろし」により海が荒れて白波が立ちます。

 半島北部では、重化学工業用地などの造成のための埋立てにより、自然海岸が失われ、コンクリート護岸が多くなっています。中部空港建設による埋立てでは好漁場が失われました。しかし、伊勢湾ではまだ漁業は盛んです。「まめ板網」という小型機船底曳網の板曳や船曳網などの漁船漁業だけでなく、海苔養殖も行われています。海苔の浮き流し式養殖を最初に開発したのは大井です。

 知多半島周辺の海で営まれる漁業を知り、魚食普及を目指して、大学で知多地区漁業士会事業としての魚食普及料理講習会を去年に続き行いました。伊勢湾で獲れたタコ、イカ、アジ、イワシ、メゴチ、シャコ、知多半島では「メジロ」とよぶアナゴなどを料理して食べました。近年日間賀島などで売り出しているフグや春のコウナゴはありませんでしたが、新鮮な地魚は美味しいです。野間や鬼崎の海苔も美味しかったです。魚料理をしたことのない学生も、豊浜や師崎などの漁業士さんの指導により、イワシの手開きやアジの三枚卸しなど、上手に魚を捌くようになりました。

 海では環境を保全すれば自然に再生産ができます。海を知り、環境と漁業を守り、美味しい魚を食べ続けるための魚食文化を伝えていきたいと思います。

魚食普及料理講習会の様子

日本福祉大学子ども発達学部
地域・産業部

教授 磯部 作