36℃の言葉。あなたの体温を伝えてほしい。 2018年度 日本福祉大学
第16回 高校生福祉文化賞 エッセイコンテスト入賞作品集
学長メッセージ
審査員の評価と感想
入賞者発表
第1分野 ひと・まち・暮らしのなかで
第2分野 スポーツと わたし
第3分野 日常のなかで つながる世界
第4分野 社会のなかの「どうして?」
学校賞
 
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入賞者発表
第3分野 日常のなかで つながる世界
優秀賞 世界情勢を見つめて
昭和女子大学附属昭和高等学校 3年 中野 紗知

 私は最近、納豆が値上がりするというニュースを見た。私は、納豆は安くておいしいので大好きである。そのため、このニュースを見た時にどうして値上がりするのだろうという疑問を持った。最初は、納豆の原材料である大豆が高騰しているからだろうと考えていた。しかし、実際は、納豆そのものではなく、石油で作られたパックが値上がりしたため、必然的に納豆の価格が上がったのであった。そして、その原因たるものが最近緊張が高まる中東情勢であることが分かった。
 現在、中東のイスラエルでは、トランプ大統領が米大使館をエルサレムに移転したことにより、パレスチナとイスラエルが緊張を高めている。さらに、米国のイラン核合意離脱により、イランが強硬姿勢をとり、米国側のイスラエルと軍事衝突に発展する可能性がある。これらの問題は、歴史や文化、外交関係など非常に多くの要素が複雑に絡み合って起きている。だからこそ、解決の兆しが見えない状態が長く続いているのだと思った。
 私は今まで、日本から遠い中東で起きている出来事は、日本には関係ないだろうと軽視していた。ところが、納豆という身近な食品を通して、中東で起こっている問題は、私たちの生活につながっていると強く感じた。もしこのまま中東情勢がさらに悪化したら、一九七〇年代の石油危機のように日本中が大混乱になる。石油資源が貧しい日本にとって、中東での出来事は、常に注視しなければならない重要問題なのである。
 今、世界はグローバル化が進み、自国の問題だけ解決すれば良いというわけではなくなっている。紛争や貧困、環境などの問題を地球規模で考えていく必要がある。そのために私たちは、世界情勢に目を向けていかなければならない。それがたとえ日本から遠い国だとしても、当事者意識を持って真剣に考えていかなければならない。私は、それが世界問題を解決する第一歩であると考える。

講評

 ニュースで見た「納豆の値上がり」という身近な話題から世界情勢に話を広げていく発想がユニークだと、この作品を複数の審査員が強く推しました。
 見たこと、聞いたことに加えて、中東情勢についてきちんと調べてあり、世界情勢が納豆の値上がりにつながっていることの裏付けも書かれており、説得力を高めています。ただ、調べた情報をしっかりかみ砕いて自分の言葉で表現できたら、もっと良いエッセイになります。

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