今年は「お父さん」を題材に取り上げた作品が多かったのですが、その中でも秀逸の作品でした。「手すりにつかまりながら洗濯物を持って出るのはひと苦労だ。何度もひっくり返したり、転んだりした」のように、リアルな光景が書かれていてわかりやすく、よくまとまっていると思います。そして、英語の例文から入る書き出しが印象的で、次を読みたくなるインパクトがありました。書き出しがいいと、作品の魅力が何倍にもなります。ここに、お母さんがどう思っているかなど、作者以外の気持ちが一言でもいいから書かれていたら、さらに良くなったと思います。