36℃の言葉。あなたの体温を伝えてほしい。 2010年度 日本福祉大学
第8回 高校生福祉文化賞 エッセイコンテスト入賞作品集
学長メッセージ
審査員の評価と感想
入賞者発表
第1分野 人とのふれあい
第2分野 あなたにとって家族とは?
第3分野 わたしが暮らすまち
第4分野 社会のなかの「どうして?」
学校賞
 
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学長メッセージ

日本福祉大学学長
加藤 幸雄
 まずは、作品を提供してくれた高校生諸君、それを支えたご家族や教師のみなさんに厚くお礼を申し上げます。企画やプレ審査を担当し、縁の下でコンテストを支えていただいたみなさんに心より敬意を表します。
 今年も、心に響く多くの作品が届きました。加えて、3・11という体験が応募全体に影響を与えた年度になったように思います。被災された人の多くは、エッセイ応募どころではなかったであろうことを想像すると、応募できることに感謝しなければならないのではないでしょうか。
 KJ法という川喜田 二郎さんが開発したフィールド調査の手法があります。この方法では、研ぎ澄まされた直観的な感覚と、緻密に組み立てられる論理構成力の両方が重視されます。エッセイにも、方法の違いはあっても、この両者はやはり重要な構成要素ではないかと思われます。
 前者は、心の琴線に触れる出来事や、自分の中にあふれる思いといったかたちで、テーマそのものへの接近を果たすプロセスで、パッションとして示されます。読者に感動をもたらす必要条件だと思います。後者は、読者が「なるほど」と思う説得力を備えるための十分条件と言えましょう。応募作品全般に前者には優れていても、後者は必ずしも十分ではないものが目に付きます。さらに推敲を重ねることが求められます。
 字数の制限があるとはいえ、段落なしの文章は説得力を著しく低減させます。内容の吟味が不十分な場合、違和感のあるタイトルが生まれます。文章を推敲し、よりよい作品に仕上げるということは、読み手の立場に身をおくことです。作品の内容に共通する温かい「思いやり」の気持ちが、方法としてもあふれることに期待します。
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