黒木町のシンボルである「大藤」に目を付けて、「大藤」に人と人のかかわりを象徴させてエッセイを書いた着想がよいと思います。そして、「大藤の下に立つと、傘を差し出された様な気分になる」「風雨から身を守るように苔が広がっている」「大藤は黒木のおばあちゃんのようだ」「お礼を述べているかのような花を咲かせる」といった比喩がすばらしく、オリジナリティを感じられる点が評価されて、最優秀賞に選ばれました。文章も読みやすく、構成もまとまっていて、大藤を見ることによって黒木町に住んでいることの幸せを感じている作者の気持ちがよく伝わってきます。