36℃の言葉。あなたの体温を伝えてほしい。 2009年度 日本福祉大学 第7回 高校生福祉文化賞 エッセイコンテスト入賞作品集
学長メッセージ
審査員の評価と感想
入賞者発表
第1分野 人とのふれあい
第2分野 あなたにとって家族とは?
第3分野 わたしが暮らすまち
第4分野 社会のなかの「どうして?」
学校賞
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学長メッセージ

日本福祉大学学長
加藤 幸雄
 第七回を迎えるエッセイコンテストに、今年も多数の応募があったことを大変うれしく思っています。一生懸命に書いていただいた高校生のみなさんに、心よりお礼を申し上げます。そして、熱心にご指導いただきました諸先生をはじめ、企画を支えていただいているすべての皆様に感謝申し上げます。
 身近な体験での感動、距離の近いところからの心温まるワンショット、覚めた目での状況スケッチなど、今年も短い文章に宝物がいっぱい詰まっていました。
 「五月雨をあつめて早し最上川」。芭蕉の有名な句です。私が先日最上を訪れた時、最初、「早し」は「すずし」だったと聞きました。雨後に最上川で船に乗り、自ずと漢字の「早し」が浮かんだと言います。また、「やさし」であれば全く情景が変わって映ります。
 みなさんの作品では、率直な現代的表現により、気持ちや息づかいを伝えようと一生懸命言葉を選んでいるさまが想像されます。その一方、隔靴掻痒(かっかそうよう)、適切な言葉がみつからない歯がゆさを感じるものもありました。しかし、どの作品からも、人や社会や自然を見る目の温もりが例外なく伝わってきます。
 日本福祉大学の創始者鈴木修学先生は、他人のしあわせを置き去りにして自分だけがいい目をみることをつよく戒めました。ハンセン病患者を支えた半生に、共生社会の到来をつよく願う先生の息づかいが感じられます。
 みなさんの作品にある「温もり」を大切にしながら、他人の視点からわが身をふりかえることができる人間関係を、身近なところから広げていこうではありませんか。
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