具体的な例をいくつも交えながら、作者が「どうして?」と疑問を持った気持ちがうまく表現されています。「死のうと思った。でも、おまえの目がきりっとたくましい目だったのでやめた」という父親の言葉や「私たちの社会は、『できないこと』を数えるのではなく、『できる可能性』を探る視点を持つべきだ」といった作者の主張が印象的に使われており、このエッセイの魅力を高めています。一点だけ気にかかった点を指摘すると、「Kちゃんというおじさんがいる」と書かれていますが、おじさんという目上の存在ですから、「周りの人からKちゃんと呼ばれているおじさんがいる」と変えた方がよいのではと思いました。