私は耳が聞こえない。人はもしかしたら、そのことを可哀想だと思うかもしれないが、私はそのおかげで人の温かさに触れることができた。 今では聞こえないからこそ感じることができることもあるのだと思える。 そう思わせてくれたのは、周りの人の中でも特にのんちゃんとまみという友達だ。 彼女たちは同じ部活だが、最初はそこまで仲が良いわけでもなく、部活仲間という感じだった。 それがいつからだろう、何でも話せて信頼できる親友となった。 きっかけは手話だったと思う。聞こえない私はやはり人と口で会話するのが大変で、 なかなか理解できない私は相手をイライラさせてしまうのではないかと内心怯えるところがあった。 そんなある日、のんちゃんが指文字を覚えていた。 「もっと手話を覚えて、私が耳になる。」彼女が言ってくれたその言葉を、私は今でも覚えている。 それから彼女は本当に手話をたくさん覚えてくれて、今では私の周りで一番よくできる。 まみは2年になって同じクラスになり、手話を覚え始めてくれた。 色々な話をするようになって、部活の相談などにものってくれて、いつも人を思いやれる優しい子だと知った。 まみとのんちゃんの隣は温かい。 時にはくだらないことでケンカもするが、友達ってそんなもんだと思う。 辛くてどうしようもなくて、逃げ出そうかと後ろを向いたときに、「頑張れ」と言ってくれて再び前を向かせてくれたのは彼女たちだった。 いつも勇気をくれて、背中を押してくれたのは彼女たちだった。 人とのふれあいは、何よりも大事な宝物だ。笑顔も涙も、人がいなければ生まれない。 これからは私がもらったたくさんの幸せを、今度は私がみんなにあげることができたらと強く思う。
タイトルがわかりやすくてよいと思います。作者と二人の友達の温かい関係が読者にも自然に伝わってきます。 でも、その温かさを感じさせる具体的なエピソードが書かれていないので、少し盛り上がりに欠けてしまっています。 また、「部活仲間」だけで終わらせず、何の部活をしているのかといった細部までしっかり書くと、もっとイメージが広がって良くなると思います。