36℃の言葉 あなたの体温を、伝えてほしい。 2006年度 日本福祉大学 第4回 高校生福祉文化賞 エッセイコンテスト入賞発表
学長メッセージ
審査員の評価と感想
入賞者発表
第1分野 人とのふれあい
第2分野 あなたにとって家族とは?
第3分野 わたしが暮らすまち
第4分野 社会のなかの「どうして?」
学校賞
募集テーマ内容・募集詳細はこちら
応募状況
参加校一覧
HOME
入賞者発表
第2分野  あなたにとって家族とは?
優秀賞 「ば っ ぱ」
日本福祉大学付属高等学校 二年 寶崎 優子
 私には自慢のおばあちゃんがいる。人を笑わせるのが上手でとても面白いし、三輪車でどこへでも行く七十四歳とは思えない程、元気なおばあちゃんだ。九州の方言か何かで、おばあちゃんの事を「ばっぱ」と呼ぶらしく、みんな不思議がるけど、私は小さい頃からそう呼んで育ってきた。
 ばっぱは私によく自慢話をする。「じいちゃんが死んでから、もう二人のおじいさんからプロポーズされたのよ。」とか「この前、老人会の人から食事に誘われちゃってねぇ。」とか。どうやら、ばっぱはモテるらしい。「でもやっぱり、じいちゃんが一番だからプロポーズもお断りしたの。生まれ変わってもまた、じいちゃんと結婚したいわ。」と最終的には死んだじいちゃんに一途なのだ。よっぽど、じいちゃんの事を愛しているんだなって思う。
 じいちゃんとの出会い話も、何十回と聞いた。「じいちゃんとは幼馴染みでね、ばっぱの事が好きで好きで、どこへ行くにも付いて来よったの。はじめはうっとうしくて嫌いだったんだけど、だんだん惹かれていって、学生結婚したのよ。」と幸せそうな顔をして私に話す。夢みたいな話だなぁと思いながら私は聞いているけど、そんな恋愛してみたいなとうらやましく思ったりする。じいちゃんに一途なばっぱが、何だかとても可愛らしく見える。
 そんなばっぱは、人に何かしてあげるのが好きらしく、人にやたら物をあげたり、月に一度、五百人近くのホームレスの人にごはんを作ってあげる行事にも、必ず参加している。年金生活でそんなにお金も無いのに、自分より、人に何かしてあげるばっぱは、本当に優しいと思うし、誇りに思う。
 私は、元気で優しく毎日楽しそうに生きているばっぱが大好きだし、将来ばっぱみたいなおばあちゃんになりたい。
最優秀賞
 作者のおばあちゃんに対する愛情が感じられるエッセイです。「じいちゃんが死んでから、もう二人のおじいさんからプロポーズされたのよ。」をはじめ、ばっぱから聞き出したエピソードが面白く紹介されていて、読んでいて楽しくなります。高齢社会を取り上げると暗い話になりがちな中、この明るさは救いになります。年を取るのもいいものだなと希望を持たせる内容を素直に書いている点を高く評価しました。


| ▲UP |
Copyright (c)2006 Nihon Fukushi University. All rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。