Wheelie動作による車椅子使用者のバランス保持能力の検討
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研究期間 2006 年度〜2007 年度 Abstract 本文 【はじめに】 車椅子を使ってのWheelie動作とは、キャスター(前輪)を床から持ち上げた状態を持続する動作である.この動作は、静止状態で前述の動作を行う場合と、動きながら行う場合とに大別されるが、どちらの場合であっても、車椅子使用者のバランス保持能力が大きく関与する動作であり、車椅子技能テストの種目としても広く使用されている動作である(Kilkens, et al; 2003). |
これまで、静止状態でのWheelie動作に関しては、視覚の及ぼす影響が大きいこと(McInnes, et al; 2000)、バランスをとる上で、手首による調節が重要であること(Koontz, et al; 2004)、他が検討されているが、静的にバランスを保持する上で、関連する筋の筋力が上体の動揺にどの程度影響を及ぼしているかを検討した研究は数少ない. 本研究では、静止状態でのWheelie動作による車椅子使用者のバランス保持能力を検討することを目的とした.
【方法、他】 男子健常大学生4名、および胸椎損傷を有するエリート車椅子競技者1名を対象とし、静止状態でのwheelie動作を撮影した.撮影は、Frame-DIAS Uシステム((株)DKH)を用い、矢状面(図1)および前額面での映像を、2台のCCDカメラおよび2台のビデオデッキによってビデオ撮影・録画した.録画に使用したビデオデッキは、一般に使用される家庭用ビデオデッキ(フレームレートは毎秒29.97コマ)であった.また、ビデオカウンタ((株)DKH)を使用し、2台のビデオデッキを同期させた.被検者は、頭頂、耳朶、肩峰、肘(外側上顆)、および手首(橈骨と尺骨の中間)にマーカーを直接装着し、また、車椅子上で大転子に相当する部分、および車輪の接地している部分にマーカーを装着した.肘関節および肩関節にゴニオメーター((株)DKH)を装着し、MacLab/8を用いて肘関節角度変化(屈曲・伸展)および肩関節角度変化(屈曲・伸展、外転・内転)を計測した.
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Copyright(C):2006, The Research Institute of System Sciences, Nihon Fukushi University