MENU

TOPICS

2021.8.27

【オンライン×地域連携教育】多職種で最期を考えるワークショップを実施しました

 2021年8月27日、岐阜県の社会福祉法人新生会のサンビレッジ岐阜でオンラインワークショップを開催しました。今回は、多職種連携や専門職の支援のあり方を福祉現場との対話を通して学ぶことを目的に、オンライン上で社会福祉学部の学生6名が参加をしました。

 社会福祉法人新生会は、岐阜県内の6つのエリアにそれぞれ異なるコンセプトの拠点を運営しています。その1つのサンビレッジ岐阜では、「赤ちゃんから高齢者までが最期まで安心して暮らせる街づくり」をスローガンに掲げられ、「最期までその人らしく尊厳が守られ、自分の意志でやりたい事をして、これまで営んできた生活を継続できる支援」するためビルのワンフロアに様々な事業所を運営しています。そこでは、医療・福祉に関わる様々な職種の方が働いています。

(サンビレッジでは、コミュニケーションを円滑にするため扉を開けています)

 今回の企画は、サンビレッジ岐阜を舞台に、「多職種で最期を考えるワークショップ」と銘打って、午前中は事業所紹介と現地オンライン見学会、そして職員や利用者の方へのインタビューをおこないました。午後からは午前中の内容をもとに、「その人らしい最期を迎えるためにはどのような支援が必要か」「支援者として大切にしたいこと」という課題について、学生たちが2つのグループに分かれて話し合いました。

(施設紹介や施設見学をもとに利用者へのインタビューも実施しました)

 参加した学生たちは、利用者や新生会の職員の声に耳を傾けて、利用者中心のサービスを行うために、何が必要なのかを考えていきました。「住み慣れた場所=家」ではなく、信頼できる人がいることや安心できる場所こそが「住み慣れた場所」と報告し、安心・信頼できる関係性の中でサービスを提供することの意義について発表しました。

(各グループの報告をもとに職員の方からフィードバックをもらいました)

 職員の方からは、「ワークショップを通して学生さんたちがかかわってくれたことによって、普段は厳しい利用者さんから家族への感謝の言葉などが聞けて違う一面に触れることができた」とフィードバック。異なる立場の人がかかわることで、日常の中で新たな利用者のニーズに気づくことができることを教えていただきました。

(2つのグループがそれぞれの気づきをまとめ発表しました)

 参加した学生たちは、「施設の方の連携と利用者側との関係性が非常に良くて素晴らしい施設だと感じた」、「支援者としてできることとして、利用者さんの特性を理解すること、そのために日常のコミュニケーションが大切」、「職員も地域住民の一員になっており地域共生の関係が築けている」、「最後の場所は自宅が一番と思いこんでいたが、今回のワークショップではその概念が見事に覆された。場所の整備だけでなく、環境、人なども居心地のよい居場所づくりに関係してくるのだと学んだ」、「サンビレッジが一つの街のようになっていること、かといってビル内だけでなく外ともきちんとつながりがあることが『最後まで地域で生きる』を実現していると感じた」、「『最期をどう死んでいくか』ではなく『最後までどう生きるか』に焦点をあてた考えをもった職員さんばかりで素敵だった!」など、それぞれに気づきや学びを深めることができたようです。

 企画をした本学星野宏キャリアアドバイザーは、「新生会の想いの部分に共感して、それを学生のみなさんに伝えたく、職員のみなさんと一緒に打ち合わせを重ねてきた。本来であれば、直接、自分たちの目で現場を見て感じ、学んで欲しかったが、Zoomを通して少しでも伝えられたら何より」とふりかえり、専門職を目指す学生たちに、支援者としての気づきの場をコーディネートしました。

 コロナ禍の中で、ご協力いただいたサンビレッジ岐阜の川瀬様はじめ、職員のみなさまに感謝申し上げます。

関連リンク