8月7日(日)の暑い日中、第44回ざっくばらんなカフェ「ものづくり×遊び×コミュニティ」が行われました。今回の開催はかわら美術館。美術館では企画展「PLAY vol.1 ―表現における遊戯性―」がちょうど開催されており、遊び心たっぷりの作品がたくさん展示されています。そんな館内での「遊び」をテーマにしたカフェになりました。
プレゼンターを務めたのは、かわら美術館の学芸員の今泉岳大さんと日本福祉大学の教員の江村和彦さん(子ども発達学部准教授)。江村さんが大学で造形を教えていたり、自身の専門が陶芸であることもあり、ものづくり・作品づくりと遊びについての話題で盛り上がりました。
かわら美術館学芸員の今泉さん
日本福祉大学の江村さん
勉強の反義だったり、非生産的なイメージで捉えられがちな「遊び」ですが、子どもは「遊び」を通して様々なことを学んだり発見し、創造性や社会性を身に付けていきます。また、ルールに捉われずに進めていったり自分たちでルールを自在に決めていく子どもならではの自由な発想の面白さを、江村さんが具体的な事例を出しながら話していきました。“完成させることが目標ではなく、遊びながらつくっていくプロセスが面白いと思うし、そこを大切にしたい”という言葉は、「遊び」に限らず様々なことにも通じることだと参加者もうなずきながら聴いていました。一方で、「人からどう見られるか」「失敗したらイヤだ」と周りを気にしながら成長し大人になってきたのかもしれない、という気づきにもなりました。
江村さんの作品のロボットたちも登場しました
後半のカフェタイムではそれぞれのテーブルに分かれ、お菓子を食べながら参加者同士がざっくばらんに話しました。「最近は結果や効率性ばっかりでおもしろくない」「もっと遊びに本気になってもいいんじゃないか」といった、前半の話題に刺激されて「遊び」の可能性を見直すきっかけになったようです。それぞれが「もっと遊ぼう」「もっと楽しもう」というポジティブな雰囲気となったカフェでした。
江村先生や学生たちが作ったストローのおもちゃでも盛り上がりました
(写真提供 榊原雅彦さん)