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020 |
担当教員 |
李 忻 |
テーマ |
医療制度・政策と医療機関の経営 |
著書・論文
研究課題等 |
- [論文]
- 「診療報酬改定と病院の意思決定」,『病院管理』,Vol.37No.4,2000(共著,筆頭著者)
「診療録管理体制に関する現状分析」,『第20回医療情報連合大会論文集』,2000(共著,筆頭著者)
「医療システム経営のニュービジョン−医療制度と医療機関の経営戦略−」,『研究年報−経済学』,Vol.62No.42001(単著)
「宮城県の医療体制に関する県民満足度分析」『日本計画行政学会第24回全国大会』,2001(共著,筆頭著者)
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ゼミ概要 |
〔内容〕
日本も世界の多くの国と同じく,医療機関の経営は常に複雑な医療制度の制約を強く受けています。その上,高齢社会の進展,疾病構造の変化,医療技術の進歩などによって,医療機関の経営を取り巻く環境は激しく揺れ動いています。さらに,医療機関と消費者(患者)間の取引は通常の財・サービスの二者間取引と異なる特徴をもっています。一般の商品やサービスの取引の場合は,消費者が製造,販売元の企業,商店などから直接購入するかたちでの二者間取引が基本的構造になっていますが,これに対して医療サービスの場合は,各個人が医療サービスに対する需用は極めて不確実です。人は予期せずして病気にかかり,患者となって医療の需要が発生します。その不確実的に発生する医療需要の費用負担,すなわち経済的リスクが個人の生活を破滅させることがないために,ほとんどの国において医療サービスは社会保障システムのもとで提供されています。日本の医療システムは社会保険方式がとられており,医療サービスの取引は保険者が介在した保険方式による三者間取引が行われています。しかも医療サービスの価格,そのサービスの支払い条件などは診療報酬制度によって決められています。
したがって,医療制度・政策の影響を分析せずして,医療機関の経営は研究できないと思われます。当ゼミでは,医療問題をマクロ的な制度論とミクロ的な医療機関の経営論という両面から捉え,日本の主たる医療制度・政策の仕組みとその改正が医療機関にもたらした影響を分析した上で,医療機関の経営を考えることにします。
本ゼミでは,主に以下のテーマに取り組んでいきたいと考えています。
- 日本の医療サービス提供のための4つの基本医療制度について(国民皆保険制度,自由開業医制度,現物給付制度,出来高払い制度)
- 診療報酬制度と医療保険制度が保障する医療サービスの内容
- 現行医療制度の評価すべき側面,問題点
- 日本の医療制度改革の動向及び諸外国の医療制度改革の動向
- 日本の医療機関の構造上の特徴,経営特徴及び問題点
- 医療制度・政策が医療機関の経営にあたえる影響について
- 医療機関の機能分化と連携のあり方とその重要性について
- 医療機関の経営戦略をケース・スタディを通じて学ぶ
〔ゼミの進め方〕
基本的には指定したテキストを輪読し,毎回担当者を決め,レジュメを作成し報告してもらった上で,全員参加でディスカッションを行う形で進めていきたいと考えています。成績は中間レポート,期末レポート及びディスカッションへの参加で評価する予定です。
指定したテキスト以外の書物についての学習やゼミの運営などに関しては,参加者の意見を随時に取り入れる予定です。
〔履修上の注意〕
- 以上のテーマに関する基礎知識を有する人及び関心をもっている人の参加を期待します。
- ゼミでの学習,ディスカッション,プレゼンテーション,レポート作成,情報交換に当たっては,基礎的な情報リテラシー能力と基礎的な統計学の知識は必要としますので,習得しておくことが望ましいと思われます。
- ゼミの選択,学習方法などについて,疑問がある場合は,気軽に相談しにきてください。
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使用テキスト |
担当教員からのメッセージ |
- 尾形裕也著,『21世紀の医療改革と病院経営』,日本医療企画,2000
- 飯田修平編著,『病院早わかり読本』,医学書院,1999
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