CODE 015 担当教員 野 崎 泰 志
テーマ 医療福祉マネージメントから開発と福祉を考える
著書・論文
研究課題等
〔著書〕
『ネパールを知るための60章』明石書店,2000年(共編著)
『CBR−パドマニ・メンディス博士講演会記念集』(共著,日本CRCネットワーク,2000年)
『開発学概論』(共著,日本福祉大学通信教育部,2001年)
〔論文〕
「開発NGOの組織評価試験」『日本福祉大学経済論集第23号』(2001年)

ゼミ概要
(ゼミの目的)
 途上国における開発協力と日本における社会福祉実践を,共通の課題から見通すために,医療福祉マネージメントを学びます。

(ゼミの内容)
 地球規模の課題である人権・貧困・平和にしても,個別のテーマである人口・女性・子供・障害者・高齢者・難民などにしても,いずれも広い意味での社会福祉の視点から見ることができます。それは,与えられるサービスとして福祉を見るのではなく,住民や受益者自身が編み出していくより良い生活デザインのこととして福祉を捉えなおすことによって,個人の生活や地域社会に新しい生活規範を作り上げていく,という視点です。
そのためには,対象や状況に応じた福祉計画が設計され,適切な実施運営がなされ,公平な評価が行われなければなりません。これらは一定の知識と経験を要する専門領域です。
私自身,途上国(ネパール)で長く開発NGOのワーカーとして,障害者福祉・地域保健・病院管理・地域福祉・環境保全などの仕事に携わって来ました。その体験から,医療福祉マネージメントに通じた人材がいかに必要であるかを痛感しています。そして,層の厚い日本の医療福祉人材が更に世界に貢献できるようになれば,日本の社会福祉も更に大きく飛躍できるものと思っています。
このゼミでは,将来において,開発協力の世界でも日本の社会福祉実務ビジネスの世界でも通用する,医療福祉マネージメントに関する実務力の養成を行います。

(ゼミの進め方)
 2年次前期は,基本的資料を指定して読み込み,基本テーマに関する概念や語彙を共有することに努めます。後期は,テーマ別グループ学習と発表形式にします。3年次は,医療福祉マネージメントの手法に入っていきます。4年次は,個人別にテーマを決めて卒業研究とします。その間に,一度は,本学の企画するものを含めてあらゆる機会を捉えて,海外研修や途上国の社会福祉現場実習を経験して下さい。勿論,日本の課題を追求するのも良いでしょう。

(基本テーマの例)
 開発と人権,社会開発,人種差別,世界の高齢者問題,世界の子供の地位,児童労働,ストリートチルドレン,世界の障害者問題,世界の女性の地位,ジェンダーと開発,参加型開発,地域紛争と難民,飢餓,人口エイズ,国際機関の社会福祉活動,国際社会福祉団体,比較社会福祉政策,社会福祉の人材養成。

(医療福祉マネージメントの例)
 非営利と営利と自治体,協同組合,NPOの経営評価,病院管理,介護保険と経営,自治体の事業評価,在宅福祉,地域福祉計画,組織評価,生活の質,資金調達,コミュニティ作り,開発協力とマネージメント,ODAとNGO,南のNGO。

(推奨する科目)
 2年次と3年次で以下の科目を履修することをお薦めします。特に2年次の障害者福祉論と3年次の地域福祉論は必ず受けて下さい。
2年次配当科目:開発社会論,開発と文化,非営利組織論,環境と開発
3年次配当科目:地域社会開発T(農村),非営利組織会計,医療福祉経営,開発とNGO,現代福祉論,地域保健,地域福祉論

(その他)
 2年の終りの春休みに,ネパールにおける海外フィールドワーク(2単位)を行います。又,英検2級程度の英語力修得も目標にします。

使用テキスト 担当教員からのメッセージ
・『開発学概論』 (日本福祉大学)
・James Midgley, Social Welfare in Global Context, SAGE, 1997.
 自分自身の問題やこだわりを大切にするところから,取り組むテーマが生まれて来ます。各人の問題意識をゼミの中で育てていきましょう。
 マネージメントの中心は,能力もさることながら信頼される人間であることですので,学習生活評価を重視します。場合によっては単位認定を行いませんので注意して下さい。


(C) Copyright 2002 Nihon Fukushi University. all rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。