CODE |
011 |
担当教員 |
津 森 信 也 |
テーマ |
グローバル・スタンダード,世界の中の日本,日本企業,生活 |
著書・論文
研究課題等 |
〔著書,論文等〕
『企業ファイナンス入門』日経文庫
『企業財務−戦略と技法』東洋経済新報社
『入門企業財務−理論と実戦』東洋経済新報社
『エコノミック・プロフィット−EVA経営入門』中央経済社
『なぜ日本の経営はダメなのか』東洋経済新報社 |
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ゼミ概要 |
[内容・方法]
世界第一級の経済大国日本とさわがれたのが嘘のように,日本経済の低迷が10年間も続いています。
日本経済の担い手である企業はサバイバルをかけてあらゆる努力を行っているように見えますが先が見えてきません。多くの企業がリストラを行いできる限りの方策を講じているように見えますが,企業倒産はまだまだ続いています。
戦後の荒廃から一貫して成長を続け世界に冠たる国家になった日本になにが起きたのでしょうか。
どこが良くて,どこが悪かったのでしょうか。何か大きな間違いをした結果でしょうか。
自分を知るためには世界と比較してみる必要があります。日本の多くの経営者たちが「米国に学ぶものなし」と豪語していたのはつい先日のように思えますが,米国経済がダントツの一位を続けています。生活水準が上がり犯罪が減ってきています(街を歩くのも怖かったニューヨークが夜歩いても安心な街になりました)。いろいろ問題があるとはいえ国民全員が以前よりも豊かになっています。
国家の借金である国債発行残高も米国はいずれゼロになる予定です。日本の公的負債額はGDP額を越えてさらに増加しています。
欧州も米国の追随をはじめ次第に力強い回復をしてきています。日米欧3極体制とうたわれた世界経済から日本のみが脱落しようとしています。それは我々の生活水準の悪化を意味します。
日本は,あるいは,日本企業はこれからなにを考え何をすべきなのでしょうか。
何かが間違えているから経済が低迷し,企業が倒産していることは間違いないでしょう。
それを考え解決策を検討してみることがゼミのテーマです。
日本という国家の運営方法とその中の企業の運営方法をグローバル・スタンダード(世界基準)といわれるようになった米国的運営方法と比較しながら考えてみましょう。
それは社会主義国家が崩壊した原因を探ることにつながるのかもしれません。
あらゆる組識,あらゆる団体,あらゆる機能体の存続のために絶対に欠かせない条件があります。企業でも,国家でも,慈善団体でも,社会福祉法人でも,大学でも,学内のサークルでも,家庭でも同じです。
それは収入が支出に一致するか,あるいは,上回っていることです。強い情熱と強い目的感と強い意識さえあれば何事も達成できると考えている人もいるでしょう。それらのことは非常に重要なポイントですが,前提があるわけです。収入が支出を下回れば誰も存続できません。存続できなければその目的を達成することはできません。
経済とか採算とかいう点は,なんとなく憚りながら発言するという雰囲気がいまだに日本には残っていますが,まず第一に考えるべき事柄なのです。経済学というのはその意味で人間生活に必須の学問であり,その中で経営は実戦上さらに重要な学問です。
経営の中で最近特に注目を集めているのがファイナンスです。収入が支出を上回るように舵を取ることがファイナンスの仕事です。いずれ社会に出て行く学生に上記テーマとの関連において現代ファイナンスの基礎も研究してもらいたいと思っています。
ゼミの進め方は,「問題提起と討論」で行きたいと思います。各自が自分の考えを述べる,間違いを恐れず自分の思うところを述べる,その中から一つの方向性を見出していくということになるでしょう。自分とは異なる考えがあるということを知ることも重要ですし,ともかく考えてみて,考えた結果である意見を言うということはもっと重要です。
発言が苦手であった学生,得意であった学生,あまりものを考えたことがなかった学生,いろいろ問題意識を持っている学生が集まりバラエティーに富んだゼミを作りたいと考えています。
[履修上の注意]
世界経済の一員である日本について考えてみたいという学生を歓迎します。
非常に範囲が広い議論になりますので,新聞は毎日読んでみようと考えている学生,そろそろ日本経済新聞や「週刊東洋経済」にも目を通す必要があるなと考えているような学生を歓迎します(もちろん,既に読んでいればさらに良し)。
経済学部で後3年間学問をする以上,広く世界と日本を見る眼と実戦知識を少しでも身につけて卒業したいと考えている学生を歓迎します。 |
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使用テキスト |
担当教員からのメッセージ |
幅広く検討しますので,特に指定はしません。 |
総合商社で36年間財務を担当し経営にも携わってきました。欧米に計13年滞在しました。その経験の中から得た国際的なものの考え方を学生諸君に伝えたいと考えています。 |
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