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009 |
担当教員 |
高 橋 紘 一 |
テーマ |
故郷の「福祉計画」をデザインする |
著書・論文
研究課題等 |
- [著書]『現代都市の福祉行財政−福祉ミニマム水準と財源保障』時潮社,1985年
- [共著書]『老人保健福祉計画をどうつくるか』萌文社,1993年
- [論文]「大都市における「老人保健福祉計画」の課題」,「週刊社会保障」no1820
- [論文]「「福祉情報」のパラダイム転換」,「週刊社会保障」no.1900,1996.08/19号
- [論文]「障害者プランと都道府県格差」,「週刊社会保障」,no.1961,1997.10/27号,
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ゼミ概要 |
I はじめに
21世紀の日本は、世界のどこの国も経験したことのない「超高齢社会」になると予想されている。諸君は,この「超高齢社会」を担う世代である。2015年には,4人に1人が65歳以上になると予測されている。
介護を必要とする人たちは,何人ぐらいになるだろうか。どのくらいの特別養護老人ホームを用意しなければならないだろうか。痴呆性高齢者のためには,グル−プホームがどのくらい必要になるだろうか。在宅にいる要介護高齢者のために,ホームヘルパーは何人ぐらい必要になるだろうか。そうすると,介護保険料はどのくらいになるだろうか。このようなことをまえもって予測し,準備するのが「福祉計画」である。
すでに,国の段階においては,2000年を目標に設定した1990年度を初年度とする「高齢者保健福祉10か年戦略」(いわゆる“ゴールドプラン)や,障害者を対象とした「障害者プラン」,児童を対象とした「エンゼルプラン」が計画された。これらをまとめて「福祉計画」という。
このうち「老人保健福祉計画」は1999年度で終了し,新「老人保健福祉計画」が2000年度からスタートしている。このなかに,「介護保健事業計画」も入っている。「老人保健福祉計画」はすべての自治体でつくらなければならないが,「エンゼルプラン」や「障害者プラン」はつくった自治体と,つくっていない自治体がある。これらの「福祉計画」を,諸君の帰省先の自治体から入手して,研究し,問題点を見つけ,よりよい「福祉計画」をつくるには,どうしたらよいかを考える。
21世紀はこの「福祉計画」にそって自治体の各種の事業が進められることになる。ところが,「福祉計画」の目標は自治体によって高いところもあれば低いところもある。自治体によって大きな格差が生じているのが現状であり,住んでいる自治体次第で,生命・健康・生活が大きな影響を受けている。
また,「福祉計画」は,自治体の福祉関係部門だけの問題ではない。財政問題,教育問題,保健・医療問題,建物・道路等の街づくりとも関連している。
さらに「福祉計画」は,自治体内の各種の福祉施設・団体,医療機関,民間営利・非営利企業との関連も深い。公的介護保険制度とも密接に関連している。
しかし,「福祉計画」を立てただけで,実行がともなわなければ何にもならない。そこで,「旧福祉計画」は,どのていど実現されたのか,達成率が低かった場合には,その原因は何か。このような調べ・評価をする必要がある。この検証・評価のうえに新計画をつくるべきなのであるが,実態はどうなっているであろうか。諸君に調査してもらいたい。
さらに,「福祉計画」を理想的な計画とするためには,自治体だけでなく,地域内の組織や個人が,ネットワークを組んで,住民の生命・健康・生活を守り,福祉水準を向上させていくことが必要である。つまり,福祉保健医療ネットワークのあり方が問題となる。そこで,情報機器およびインターネットを高度に利用したネットワークの構築と運用も研究テーマとなる。
あらためて確認するが,21世紀を実際に担っていくのは,今日本福祉大学で学びつつある諸君である。その準備を急がなくてはならない。あるべき21世紀の福祉社会を,諸君の帰省先自治体の「福祉計画」のデザインを通じてイメージできたら,と思っている。
II 演習の進め方
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演習に必要なパソコンの使用能力を高めるために,ワードを使った事典の作成,エクセルによる「文献目録」の作成,インターネットからのデータ収集などを行なう。
- 自治体が研究のベースになるので,諸君の帰省先の自治体について「福祉計画」の資料を集め,ワード,エクセルなどを用いて報告してもらう。
- 帰省先自治体の『国勢調査報告』を用いてエクセルにより分析し,児童人口や高齢者人口についてグラフにし,出身自治体の特徴を分析する。
- ゼミの一人一人が帰省先自治体の「福祉計画」を収集し,それを題材にして,研究・評価し,問題点や今後の課題を考える。
- 出身自治体の福祉課長になったつもりで,あるべき「福祉計画」をデザインしてみる。
- インターネット上で発表する。
- 卒業研究としてまとめる。
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使用テキスト |
担当教員からのメッセージ |
・必要に応じて紹介する予定である。 |
積極的に自分で調べることが好きな学生を望む。故郷での就職を希望している学生は,有利。どの程度の情報処理能力があるかを知りたいので,希望理由を電子メールで,takakou@n-fukushi.ac.jp宛に送信すること。その際は,出身自治体名(ふるさとの市町村名)を必ず書いてください。 |
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